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セナの言ってた通りだった。
話しかけようとしても逃げられるし、あの綺麗な瞳と目線がかち合わない。
Aのあの瞳がものすごく好きで、Aの柔らかい声が好きで、くすくす笑う時の表情が好きで、あいつといると
あいつがいないから
それに、あいつはあの朔間零と一緒に居るらしくて、それも面白くない。
この状態が何日も何日も続いて、セナはAに話しかけるのを諦めたみたいだった。
泉《…理由は分からないけど、もう諦めよ、れおくん。意味ないでしょぉ〜…？》
なんて言ってたけど、おれは諦めきれない。
だって理由がわかんないから。
だからおれは今日もAの元に行く。
でも、Aはもう教室に居なかった。
クラスのやつに聞いても、今日は来てないって言うんだ。
…………本当に、おれのこと嫌いになっちゃったのか…？
そうしている間に、おれとセナが所属するチェスがどんどんどんどんおかしくなっていって。
おれはあいつらのために作曲する日々が続いた。
あいつらのためにいい曲を描きたくて、必死になって描いた。
Aが傍にいないから、今までよりも質は落ちたけど……
季節は過ぎて、もう秋になった。
そんなにも長い間Aと居ないんだ、って実感して、少しだけ寂しくなる。
おれも作曲ばっかりして、少しだけ疲れてきた。
…………ちょっとだけ、休みたいなぁ…
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作者名：魚
| 作成日時：2020年11月25日 12時
