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zmside
によによと笑いながら腕の中のAの唇を指先でなぞる。
ビクッと震えよるから、なんか虐めたくなる。
なんや、これ。
加虐心か？
知らんけど。
顎に指先をずらして、上を向かせてみる。
そのまま覆い被さるように上から口付けた。
上を向く訳やから口がちょっと開いとる。
そこに舌をねじ込ませて、絡ませてやった。
ちろりと目だけで精霊王を見る。
目線が合って、背中が粟だった。
精霊王の白く染まった瞳が、冷ややかに俺を見とったから。
恐怖で思わず唇が離れて、腕の力も弱まってしもた。
その間に精霊王がAを回収しとったけど。
それよりも…
………なんや、今の瞳は。
精霊とエルフは森が繋がっとって、なんとなくなりとも互いの事は知っとる。
あーいや……俺だけが知っとるのか…？
何度か遊びでこの精霊の森に忍び込んできたけど、こんなに冷えた瞳をしとるの見たことないで。
初めて見る精霊王の怒りに、俺は心底震えてしまう。
体の底から震えが湧き上がって、普段なら震えない膝が震える。
はっとして精霊王を見れば、同じようにAを引き寄せて口付け、舌を必死に絡ませとった。
閉じてた目を開いて俺を見て、目元だけで笑っとる。
それに対して怒りを覚えたんやけど…………
どうしてもさっきの瞳が脳裏から離れへんかった。
em「この方は私のものですよ、エルフの長、確か………ゾム、さんでしたっけ？」
でも気づいてしもた。
Aの肩を抱く精霊王の手が小さく震えとる事に。
なんや…こいつも怖いんや、一緒やん。
一気に恐怖心が薄れて、口元が緩む。
ぴょんって近付いて、まだ怯えてるAの腕を掴んだ。
zm「あんたのもの、だなんて誰が決めたん？精霊の王、エーミール」
em「正真正銘私の花嫁ですよ。見て分かりませんか？」
ほら、と怯えたように固まるAの右手を取る。
そこに嵌められとったのは指輪。
………………は？
注視すれば、精霊王の指にも同じものがある。
そんな…もう決まってたん……？
嘘やん。
だってだって、まだなんも報せが……
一気に余裕が無くなる。
なんでや、Aはそれでええんか？
精霊王の元でええんか？
俺の方が…俺の方が幸せに出来る。
なんでや……？
頭が空回っていく。
表情はなるべく変えず、必死になって考えとった時。
一気に森が暗くなった。
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魚(プロフ) - もも王さん» ありがとうございます！ (2020年6月18日 18時) (
レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
もも王 - 魚さん» いえいえ！推しはもちろん好きですが、この作品も大好きなので応援しています！結構初期の方から見ていたので、これからも頑張ってください！ (2020年6月18日 16時) (レス) id: ddd6641eac (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - もも王さん» うあー…なんだか申し訳ないです…あともう少しで完結すると思うので、これからもよろしくお願いします… (2020年6月18日 7時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
もも王 - Ohh・・・推しが二人も娶らない宣言してしまった・・・。それでもいい！見続ける！！頑張ってください！ (2020年6月18日 7時) (レス) id: ddd6641eac (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 理央さん» いやぁ、なんかこの2人はセットかなぁ、なんて思ったので←ありがとうございます！ (2020年5月14日 16時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2020年4月23日 11時
