詐欺にはご注意を！【ci】

↓ ページ5

でもこういう時に限って、人って来おへんのやなぁ。
暇や。



『しつれいしまーす』

ci「はい！どうぞ！」



思わずダラっとしかけた姿勢を正す。

入ってきたのはタレ目の女だった。

………詐欺に合いそう。

なんでわかるかって？

こういう人を狙うと騙されやすいからやで。



『あの……オレオレ詐欺に引っかかって…』



オレオレ詐欺ぃぃ？

今更？

そんな簡単なやつに引っかかるやつなんておんの？

…おったわ目の前に。



ci「えぇっと、どういう経緯でそうなったか教えて貰えますか？」

『お兄ちゃんから電話がかかってきたんです。お金貸してほしいって。了承してお金を渡しに行った後に気付いたんですけど…』



あぁ、声がちょっと違ったとか？

でもああいうのってじじばばが引っかかるやつやろ！



『そもそもお兄ちゃん居ないんですよね…どうしましょう、これ』


は？

え？

は？

え、この子何言っとんの？

えwww

え？

ごめんわかんない。

この子日本語喋ってるよな？

え？

お兄ちゃんが居ないのにお兄ちゃんを名乗るオレオレ詐欺に引っかかったん？

え？

何？

馬鹿なん？

馬鹿なん？

馬鹿か。

そうか、馬鹿か！

納得や、うんうん！

てかどうすればいいかとか俺に聞かんといてよ。

自分のせいやんそんなん！



ci「そうですねえ………とりあえず家族構成教えてもらってもいいです？」

『あ……一人っ子で、両親と…あ、この間他界したんだったぁ！間違えちゃいました！』



えへへと笑うこの子をみて唖然とする。

は？

どう頑張っても詐欺に引っかからないだろう人間Ｎｏ．1やのに！？

いとも簡単に詐欺に引っかかるん！？

てか両親他界したことそんなあっけらかんと言ってええの！？

え、心ないん？

コネシマさんかな？

ロボロさんかな？？？



ci「……と、とりあえずは、電話取らないようにしましょうか！ね！」

『確かに！いい案ですね、ありがとうございます！やってみますねー！』



ばいばいと手を振りながら帰っていく女。

………………………なんやこれ

ごっつ疲れた。

（3）→←（2）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す