第173話：これが真実だ ページ16
せっかくリラックスしていたというのに全く。ひと睨みした魔茶からはまだゆらゆらと湯気が上がり、見た目からはその凶悪さが全く見えない。ヒトの喉を焼くものだと誰が想像したか。
「それで…カルエゴの事だったな」
魔茶に恨み言をいうのは後にして。咳もようやく落ち着いたので、私への心配から先程の件へと話を復した。
ﾓﾓﾉｷ「はい」
「突然そんなことを聞いてくるとは思わなかった」
ﾓﾓﾉｷ「すみません…気になってしまって、その…私実は」
「知ってるよ、カルエゴのことが好きなんだろう？」
自分で言っておきながら少しばかり胸がチクリと痛む。気づかないふりをしながら話を続けた。
ﾓﾓﾉｷ「え、///」
返事は無くとも、顔を見ただけで答えが聴こえた。
有名な話だ。彼女がカルエゴのことを好きだと言うのは。生徒にすら軽くからかわれているほどに、カルエゴを前にすると彼女の頬は赤く染まる。
「…」
なんと答えるべきなのか、と心の中が少し淀んだ。モモちゃんの方がまともに見られない。ああ、こんなことなら私は彼を……いや、それはカルエゴに失礼か。かと言って今この場をはぐらかすのも目の前の彼女に失礼だ。
「…こんなことは初めてでね。自分でもよく分かってないんだ」
カルエゴと話すと胸が苦しくなる、なんて世間でよく言われる『恋のはじまり』は私にはない。昔から何一つ変わらないこの日常、カルエゴと、シチロウといるのが楽しい。これからも一緒に過ごせたら…と。それだけだ。
ただ、キリヲの一件で1つ知覚したとすれば、カルエゴとシチロウに抱く想いの違いだ。私は無意識にシチロウは私が護らねば、と庇護欲があった。癒しであり、私の命の恩人だから。実際は彼の優しさに甘えていることも多い気がするが。
ﾓﾓﾉｷ「先輩…」
一方でカルエゴには、かつては刺激を求めていた覚えがある。学生時代は大喧嘩から小競り合いまで毎日何かしらで揉めていた。それがなんだか楽しかったから。
ただ、彼は大人になった今もずっと前から変わっていないことが一つだけあった。"言葉や贈り物だけで何かを伝えることがない"んだ。彼はいつも伝えたい事があれば、必ず自分から行動を起こしてくれる。
いつしかそれは刺激ではなく、安心感に変わっていたかもしれない。信頼にすら。
それが心地よく、これからもそうでありたいと願うのが私の想いであれば…
「…好きだよ」
これが真実だ。
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えんさん(プロフ) - ニャンゴロリーン♬さん» ニャンゴロリーン♬様、コメント誠にありがとうございます！悪周期編きちんと書く予定なので、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです！ゆっくりではありますが更新していきます！ (1月7日 1時) (
レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンゴロリーン♬ - 悪周期編になったら大変な事になりそうな気がする…更新、楽しみにしています‼ (12月29日 20時) (レス) @page19 id: ada088a93e (このIDを非表示/違反報告)
えんさん(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこ様またコメントを下さりありがとうございます！☆*。 モモちゃんとの乱闘騒ぎは無事回避致しました！笑 きっとそんな事になっていたら隣からカルエゴ先生が飛び込んできていたかもしれませんね！ (11月12日 19時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - これは草wwwモモちゃんと乱闘になるかと思ったわwwww (11月12日 18時) (レス) @page18 id: c52b7a4661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えんさん | 作成日時：2023年10月10日 0時
