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第172話:涙が滲む ページ15

モモノキ「えっ、美味しいですねこの魔茶」


「私がブレンドしたんだ。お口に合ったようで何よりだよ」







ティーカップにふーっ、と息を吹きかけ、美味しそうに飲むモモちゃん。市販とブレンドの違いが分かるとは中々味覚が鋭い。

モモちゃんに便乗して私も1口。暖かい飲み物はやはり身体の力が抜けていく。疲れた体に沁みる味を堪能していると、突然モモちゃんがあ、と声を上げて真剣な表情をした







モモノキ「先輩、お話が」


「うん、そこから泊まる話になったんだものな」






昼間はなんだか楽しむだけ楽しんで、巻き込まれるだけ巻き込まれてと忙しく、少し忘れかけていたが本題はこれだった。最近は本題よりも外野に振り回されることの方が多いような気がする。








「一体話したいことって何だ?」


モモノキ「あ、えっと…」








モモちゃんが手に持ったカップが少しばかり震えている。緊張しているのだろうか


まあどんな話題が来ようと、一応先輩だ。多少困るようなことでも解決をしてあげたい。




そう意を決して、次の言葉を待った。







モモノキ「その…先輩って




.






.






カルエゴ先生のこと、どう思ってますか?」


「ブッ!!ゲホッゴホッ」


モモノキ「先輩!?」


「ゴホッ、え、な、……え?」








あまりに唐突、いや、前から薄々言われるかもしれないと思っていたことではあったが…こんなに真剣な表情されてるからもっと違う話題だと思っていたっ…!!


慌ててハンカチで口を拭うが、気管に入った茶は帰ってきてはくれなかった。うう、喉が灼かれるように苦しい…








モモノキ「驚かせてしまいましたか…申し訳ありません」


「だ、大丈夫だ、ゴホッちょっとビックリしただけだからゲホッ」






数秒ごとに咳を乱発している奴が言っても、全く説得力がない。モモちゃんが大丈夫そうには見えませんが…とさらに不安そうにしている。あまりの恥ずかしさと苦しさで軽く目に涙が滲んだ。







「ゴホッ…はぁ…本当に大丈夫だ。ただ、その…気管に入っただけなんだ」


モモノキ「気管」





私は何故こんなにも口下手なのだろうか。今度は悔しさで涙が滲みそうだ

第173話:これが真実だ→←第171話:不用心はお互い様



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えんさん(プロフ) - ニャンゴロリーン♬さん» ニャンゴロリーン♬様、コメント誠にありがとうございます!悪周期編きちんと書く予定なので、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです!ゆっくりではありますが更新していきます! (1月7日 1時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンゴロリーン♬ - 悪周期編になったら大変な事になりそうな気がする…更新、楽しみにしています‼ (12月29日 20時) (レス) @page19 id: ada088a93e (このIDを非表示/違反報告)
えんさん(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこ様またコメントを下さりありがとうございます!☆*。 モモちゃんとの乱闘騒ぎは無事回避致しました!笑 きっとそんな事になっていたら隣からカルエゴ先生が飛び込んできていたかもしれませんね! (11月12日 19時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - これは草wwwモモちゃんと乱闘になるかと思ったわwwww (11月12日 18時) (レス) @page18 id: c52b7a4661 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えんさん | 作成日時:2023年10月10日 0時

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