プラチナ《赤短編》 (ページ13)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:18,299 hit

・ページ13

『おーすばるー！』

すばると同じクラスの男子の集団が

ぞろぞろと歩いてくる。

す「おぉ」

『女の子ひっかからんくてこまっとるんじゃあ』

近寄った瞬間お酒くさくて思わず顔が歪む

『なんやおまえ女連れて生意気やなー！』

す「、、そんな酒くさかったらだれもようこんわ」

『あっれー彼女ちょうかわいじゃーん！

さわらせてよ～』

男の人たちが近寄ってきて頬を触られる。

「っ、」

ガッ

すばるが男の腕を掴む。

す「触んじゃねえ」

『あぁ？』

す「その汚い手で触んじゃねえゆうとんねんこら」

すばるが殴られそうになる

すばるはそれを交わして

その男を殴った。

なにやってんの、

倒れ込んだ男に馬乗りになって

もう一度拳を振りかざしたすばるを

わたしは力一杯向こうに押した。

す「ちょ、なにすんねん」

『、、っこの、』

すばるはわたしの手をとって逃げた。

す「いったいわおまえ、、」

すばるが水道で私が押した時に

できた傷を洗ってる。

「もう、そんなことしないで」

す「本気でやるわけないやん」

す「むこう集団やし」

「ケンカ売ったのすばるじゃん」

「こどもみたい」

す「なにおこってん」

「おこってないけど」

す「怖かったか、ごめんな」

すばるはわたしに近寄って

そっとわたしの頭を撫でて

泣きそうになってるわたしの唇に

またキスを落とす。

ああ、なんだろ、これ

すばるのことがたまに怖くなる

このひとなつっこい笑顔のなかに

切なくって壊れちゃいそうななにかが

彼をむしばんで彼の中の彼が悲鳴をあげてるような

昔から、なにひとつ変わってない

私たちの曖昧な関係