【募集企画】東方幻想記録物語 28巻 (ページ6)

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姉の主と従者の妹　リー/愛哀ページ6

「…せいぜい私を楽しませてちょうだい。清葉の妹……加藤愛哀」
「楽しませるだけじゃなくて地獄も見せてあげる。…お姉ちゃんの主、リー・スノークロック」

真っ黒な空間でお互いにそう言い、リーが刀を抜くと同時に戦闘態勢に入る愛哀。だが、どちらかが先手を打つ訳でもなく、ただにらみ合いが続いている。にらみ合うこと5分弱、ついに痺れを切らしたのか、愛哀が少し苛立った様子でリーに言った。

「来ないの？」
「…あんたが来ない以上こっちからは行かない」
「じゃあ、遠慮なく」

そう告げた愛哀の周りに、薄く水色のオーラが現れる。水色のオーラは氷魔法である。魔力が溜まったのか、愛哀はリーを見据えて言った。

「AisKing:level 5!」

瞬間、リー目掛けて無数の氷塊が向飛んで行く。それを軽々と避けるリー。しかし、それが狙いだと言わんばかりに愛哀は続けた。

「restraint:level 6!」

避けようとしたところを、紫の輪が捕まえる。予想外だったのか、舌打ちをして能力を発動しようとするリーだが、何故か能力は発動されなかった。少しだけ驚いたような表情をするリーに、愛哀は告げた。

「その拘束魔法には、能力を無効化する仕掛けがある。私が解除しない限り、その仕掛けを解くことは出来ない」
「…そう」

一言だけ呟くと、リーは刀で簡単に輪を壊した。特に驚く様子もない愛哀に、リーは言う。

「…次は私」

そして、目を瞑って剣を構えた。すると、銀色の刀は鮮やかな紅色に変わる。刀身が紅に変わりきるとリーは目を開け、愛哀に向かって言った。

「血の夜(Brad Night)！」

リーが刀を一振すると、血のような液体の刃が愛哀に向かって行った。それを氷魔法で凍らせた愛哀は口角を上げた。それを見たリーも、無意識に口角を上げる。

「…中々ね」
「お姉ちゃんに褒められないと嬉しくない」

その言葉を交わし、2人は激戦を繰り広げた。