【募集企画】東方幻想記録物語 28巻 (ページ35)

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気後れ亜仁麻ページ35

真央たちの客室…

「待って！待って！」
「あーあー、牛歩(1ターンに1マスしか動けない状態)だねぇ！」
「あちゃー志貴君かわいそうに…」
「ちょ…世界旅行やめてぇ！！」

真央たち4人は、桃○ワールドをプレイしていた。
そして、現在志貴が世界旅行ボンビーの悪行に巻き込まれている所である。

「えええ！？もう一回！？」
「良いぞ良いぞー！」
「ああでも目的地の近く…」

世界旅行ボンビーは目的地の付近に到着…だが、
"命と財布、どちらが先に尽きるのか？"

このテキストが意味するもの…
それは、"世界旅行ボンビー三連続"である。

「はあ！？だるいてぇ！」
「アッハッハッハ！」
「いってらっしゃーい♪」

―結局、志貴は目的地から大きく離れ、さらには7億という多額の損失を被り借金となった。かわいそうに()
爆笑する真央とカノン…だが、彼女はそのノリに半ば置いて行かれていた。

…現在圧倒的一位、亜仁麻である。

「だ…大丈夫…？」
「うう…一位に心配されるとは…。でもありがとう…。」

彼女は真央達に桃鉄のイロハを教えてもらい、基本的な事は全て押さえつつ堅実なプレイを心掛けている。そしてビギナーズラックも絡んだ結果、彼女は一位を独走中であった。

「にしても強いよねぇ亜仁麻…。このゲーム初めてでしょ？」
「そうね…私の場合は運も絡んでいたし…。」
「確かに夏のプラスマスで5倍(10億ゲット)なのはえぐかったね…。」

普通ならイキり散らかすところではあったが…亜仁麻はあまり喜んでいなかった。

「…亜仁麻、まだ気後れしてる？」
「え？」

真央に唐突に切り出される亜仁麻。

「…ごめん…私…やっぱり実感が湧かないわ。私のほんの出来心で、仲間に入れて…って言っただけなのに…。…私、一緒に遊ぶ友達とか居なかったから…。」
「あー…言ってたね…。」
「…それに…私はあなたたちを巻き込んだ…。風原剣城を…真央たちを復讐に巻き込んで…。私は…ここに居ても良いの…？」

―独白かのように、彼女は呟く。

「あーあー、そんなの気にする訳無いじゃん？"幻想郷は全てを受け入れる"って、言ってなかった？」

―が、それを気に掛けないかのように真央は言った。

―――――
牛歩:1ターンに1マスしか動けない状態。3～6ターン続くぞ。
世界旅行ボンビー:貧乏神の形態変化の一つ。強制的にプレイヤーを移動させ、距離に応じた金額を請求される。3連続となるとそりゃもう大変な事に()