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「国」を舐めるな ラターリヤ ページ32

「なんだと…!?」

案の定栞の発言にイラっとしたラターリヤ。彼女にとって兄とは最愛なる人物であり、また生きる意味でもあるのだ。この世の何よりも愛している人物に向けた愛情は本当のものか、と言われれば誰でも頭に来るのは当然だろう。
先程練習した能力でナイフを三本出し、栞目掛けて投げ………

「!」

………ようとしたラターリヤ。いきなり方向転換をすると、近くの岩影に向かってナイフを全て投げた。投げたナイフは岩に突き刺さる。

「っ…!?」

岩影の向こうで驚いたのはレイカ・クリムゾン。ラターリヤは四十里野兄妹から離れると、ナイフが刺さったままの岩に向かいながら言う。

「…その程度の殺気なら、気付かれないとでも思ったか? 姉さんと、兄さんと、兄様と、彼奴等と……姉様と何度も「ソビエト連邦」そして「ベラルーシ」として戦場に立ち、立たされた私が、その程度の殺気に気付けないわけないだろう」

刺さったナイフを回収すると投げて遊びながら、冷やかな声で彼女は言う。

「私達「国」を舐めるな」

無意識に怖いオーラを纏いながら、ラターリヤはレイカ--正確にはほぼ岩である--を見つめる。
数秒後、近くの茂みからある人物が出てきた。

「…! 兄さん!」

そう、それは紛れもなく……ラターリヤ・アルロフスカヤが愛する、兄の姿だった。

「ふふふ、やっと会えたわ、兄さん。さあ、今日こそ私と一つになりましょう。結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚結婚………」
「ら、ラターリヤ……今は離れてくれないかな…」

兄が現れた瞬間、即座に抱きつき結婚を迫るラターリヤ。彼は少し離れるよう頼むも聞こえていない。ため息をつくと、彼女の兄は話し始めた。

「ごめんね、ラターリヤが迷惑かけちゃったみたいで」
「いや、構わない」

鎬の返事を聞くと、安心したような顔をして、彼は名を名乗った。

「リスニア・ブラギンスキだよ、よろしくね。僕がここに来るまでに何があったのか知りたいんだけど……よかったら、教えてくれないかな?」

「軍人」と「国」 レイカ→←臨戦態勢 レイカ・クリムゾン



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フウ(プロフ) - 29巻作成しました!こちらからお願いします!(https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami133513/) (3月2日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 続編移行致します!! (3月2日 21時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 更新しました! (3月2日 21時) (レス) id: daf5c838c6 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 更新します! (3月2日 20時) (レス) id: daf5c838c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛宮リリー(プロフ) - 更新しました! (3月2日 17時) (レス) id: 234445217d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2023年11月14日 22時

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