“死神” 被華 ページ25
そして放たれたのは、馬鹿らしいと思えてしまう程の避けさせる気が一切無い様な大量の弾幕達だった。そしてそれに加えて弾幕達からは何やら腐臭の様な匂いがする、これ多分毒だ、しかも経皮。
「―っと!」
間違っても皮膚に掛からないよう大鎌で弾きつつ、少しずつ琉香への間合いを詰めていく。おそらくこの鼻が死にそうな匂いは一つ一つの弾幕が放っている腐臭が密集して出来上がったもの…即ちどの弾幕に当たろうが一発アウト、クソが!!!()
「―スペルカード発動!」
半幽体化して軽くグレイズしつつ、琉香と同じ目線まで飛び上がる。反撃の手を使わせるより先に、背後の魔法陣は光り輝いた。
「神符『十王様の御加護』!!!」
三本の極太レーザーが琉香の目元向けて飛んで行く。すんでのところで貼られたバリアの反射とレーザーの光が相対し、フィールド上が強い光に包まれた。光が開けると、琉香はやれやれといった表情で口を開く。
「全く…その手数の多さは何とかならない物ですかね、お強くてとても素敵ですが」
「こんなんで多いとか井の中の蛙すぎない?旅はまだ、前座にすらなってないってのに―」
.
「―スペルカード発動!」
「ガハッ!?」
―はい、大成功。
きょとんとした顔で口から血を吹き出す琉香の姿に思わず口角が上がってしまう。その背には今しがた喰らった大量の傷、そして腹部には…背から腹まで貫通した、一本の巨大なトゲ。
神をも殺すと言われた猛毒。嘗て十王達が神を地獄に堕とす際に使った、全てを等しく堕とす術。
「―十王裁判っつったら多彩な捌き方が魅力でしょ?こんなレーザー攻撃だけで罪の咎めが終わる訳無いじゃんか」
弾幕一つ無くなったフィールドを飛行し、琉香のすぐ近くまで接近する。
「ここからもっとスペルを撃って、良い感じの潮時でラストワード。そんな様式美みたいな戦いを望んでたなら残念だけど…」
.
「―死神は、ロマンなんか求めない。求めるのは…敵の命、ただそれだけだ」
片手で振り下ろした鎌は、視界に勢いよく赤を飛び散らせる。不気味な肉壁達は音を立てて消えていき、真っ二つになった琉香もまた…回収なのか何なのか、ゆっくりと消えて行った。
先程までの戦闘はいずこ、何一つ無い真っ白な空間で私は一人立ち尽くす。血が目立たないからと着ている黒のワンピースも四肢も、等しく真っ赤に染まっていく。
「…っはー、中ボス戦にしてはウザすぎるっての…」
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「―さて、進むか」
―死之華琉香、無月こむら…突破完了。
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フウ(プロフ) - 29巻作成しました!こちらからお願いします!(https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami133513/) (3月2日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 続編移行致します!! (3月2日 21時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 更新しました! (3月2日 21時) (レス) id: daf5c838c6 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 更新します! (3月2日 20時) (レス) id: daf5c838c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛宮リリー(プロフ) - 更新しました! (3月2日 17時) (レス) id: 234445217d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年11月14日 22時