【募集企画】東方幻想記録物語 28巻 (ページ19)

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紅魔館：エンカウント　真央ページ19

音楽が流れっぱなしのスマホを持って、そいつは立ち尽くしていた。正に凍り付いているという表現が的確、予想外のエンカウントに戸惑っているという所だろう。わかるよ私もそうなる。

「おいカノ…あっ」

そこで思い出して振り返るとある意味予想通り、カノンはしっかり志貴の腕を掴みながらガタガタ震えていた。大丈夫かこれその内泡吹いて倒れないか。

「あー、確かこの前色々あったっていう…どうした？」

私の声で思い出したのか、志貴もそこで声を上げる。その表情に悪意は無い、相手がどうとかは一切気にしていない、ごくごく普通の問いかけだ。

「…あ…いや、その…」

そんないつも通りの様子の志貴に対して、亜仁麻は何やら茶を濁すような態度でもごもごと口ごもる。その表情は何処か恥ずかしがっているようにも見えた。

「…あ、あの、ごめんなさい。五月蠅かったかしら…？」
「いや、確かにびっくりはしたけどそんなでも無いから大丈夫よ」
「あぁ…なら良かった…」

・・・

＿人人人人人人人人人人人＿
＞何だこの気まずい空気＜
￣Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^￣

待ってどうしよう、ずけずけ系バカと中和役と大人っぽい人が集まったらこんな地獄みたいな空気感になるの？もう既にカノン(死者)が一人倒れてるんですが？()

「…ていうか、何で急にそんなでけぇ音鳴ったんだ？何かしてたのか？」
「あ、いえ、違うの。ちょっと…あ、これ音量下げるんじゃなくて上がってるじゃない…！」

亜仁麻はスマホをちらりと一瞥し、何かに気づいたようで眉を八の字に曲げて一人呟く。わかるよそれ私も母に借りたスマホでよくやった。

「あー、よくあるよなそういう事。…んじゃ、俺らあっちで―」
「―あ、あの！」

―向こうに戻ろうとした私達を亜仁麻が何やら引き留めたのは、その時の事だった。