居場所 亜仁麻 ページ18
「…」
亜仁麻は紅魔館のベッドで傷だらけの身体を癒していた。
「はあ…。」
亜仁麻はベッドから起き上がり立ち上がった。
能力を応用したおかげで傷の治りは速いが、それでも身体は痛む。
それでも、亜仁麻はその身体をひきずり、部屋のドアを開け外に出た。
「…はあ…。」
大きなため息をつく亜仁麻。彼女は身体よりも心にダメージを負っていた。
気付けば、彼女は声を出すことなく泣いていた。
(届かなかった…私の決意が…。決別すると…決めたのに…!私は…弱い…!)
ヨハンナを、止める。そう決意し戦った。
結果は、見ての通り惨敗。彼女の勇気、そして決意は悪の手によって粉砕されていた。
―と、近くの部屋から騒ぎ声が聞こえてきた。
「…何?」
亜仁麻は、笑い声のした部屋を覗く。
「っシャア!」
「ああああああもう咲夜のそれえぐいって!」
「ファー!立ち回りが甘い甘い!」
そこには、真央が志貴を非想天則でボコボコにしてるといった光景だった。
「あの3人…。確かあの一軒家に居た…。」
真央、カノン、志貴の3人。楽しく遊んでいる一軒家組の三人を見ていると、亜仁麻は何故か羨ましさを感じた。
「…。」
亜仁麻は3人の輪に入ろうと一歩を踏み出そうとする。
―が、脚が動かない。
「…!!」
亜仁麻は、自身の背に罪の意識が這い登って来るのを感じた。
―こんな私が、楽しそうにしている彼らの輪の中に入って良いのか。
決別を果たせなかった自分に、何も出来なかった自分に、罪を犯した自分に、そのような資格はあるのか―
そんな感情が彼女の身体に纏わりつき、一歩も前に踏み出せない。
「く…。」
彼女は自分の部屋に引き返すために歩き出す―と、
彼女のポケットからスマホが落ちイヤホンが外れた。そして、流していた曲が大音量でスマホから流れ始めた。
「しまった!」
「ん?」
「何この曲…?」
「部屋の外からだね…。」
「おーい、そこに誰が…って…。あれ?お前確か…亜仁麻?」
―見つかってしまった。
亜仁麻は、流れる曲を止める事も無く真央と目が合ったまま凍り付いていた。
1人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フウ(プロフ) - 29巻作成しました!こちらからお願いします!(https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami133513/) (3月2日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 続編移行致します!! (3月2日 21時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 更新しました! (3月2日 21時) (レス) id: daf5c838c6 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 更新します! (3月2日 20時) (レス) id: daf5c838c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛宮リリー(プロフ) - 更新しました! (3月2日 17時) (レス) id: 234445217d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サナティ x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年11月14日 22時