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次の異変への布石 鎬 ページ1

一通りの天変地異は治まったものの未だ幻想の狭間では激しい戦いが繰り広げられている幻想郷。
されどもそれは異変解決者達のみ与り知る知ることだ。その場にいない人々は、天変地異の終わりが異変の解決とみなし、日常生活を取り戻していた。流石は異変慣れしている幻想郷人といったところである。
そんな中、かの激重兄妹こと四十里野兄妹の兄の方、鎬は妹と共に幻想郷を歩いていた。またもやノルンから呼び出され、次の異変が起こる可能性があるから元凶になるかもしれない人間のところへ向かうよう言われたのだ。

「‥‥あ、お前はさっきの」

その最中、視界に入り込んだのは草原に寝転がる二人の人間だ。若草色のボブカットの少女と、翡翠色の長髪の中性的な人物。
鎬はこの二人に覚えがあった。というのも、先刻の天変地異の折に解決の協力を申し出てきた人々であり、実際にはすぐに天変地異が治まったため行動こそ共にしなかったものの、名前を聞き言葉を交わしたのである。
その二人―――桐生羽倉と廻は、鎬達に気づくと寝転がっていた胴体を起こした。

「お、また会ったな。元気か?元気そうだな」
「お陰様でわたしも兄さんも元気よ。さっきは折角声をかけてもらったのに、結局なにもせず終わってしまったわね。申し訳ないわ」
「なぁに、気にすることはない。何事も元気が一番さ。天変地異の犯人をこの目で見ることが叶わなかったのが口惜しいが、そんなものは自分がなってしまえば‥‥」
「‥‥廻さん」
「はいはい、勿論冗談だよ」

本気か否かいまいち読めない顔で、廻は煙管を口に銜える。受動喫煙はごめんだとでも言いたげに栞は顔を顰め、

「そろそろ失礼しましょうよ兄さん。あの不審者がまた何か言ってきたんでしょう?‥‥まったく、あの不審者ときたら兄さんをなんだと思ってるのかしら。兄さん、今度こそあいつを殺したいのだけれど」
「‥‥やめとけ、喜ぶだけだから。あいつの言うことにはとりあえず従っておいた方がいいしな」

本当に気色が悪いわあいつ、と吐き捨てた。対して羽倉と廻はその不審者は何者だと言いたげな顔である。
それには気付かず栞が足を踏み出した途端、鎬の携帯から着信音が鳴った。応答すると、スピーカーからは鈴を転がすような声が響く。

「‥‥もしもし、鎬さんかしら」
「誰だ?女神の知り合いか?」
「ちょっとね。ノルンさんからお話を聞いて、協力をしてもらいたくて電話したわ。今から人里の甘味処で落ち合うことはできる?状況説明をしましょう」
「わかった。妹と向かう」
「待ってるわ」

かくして、四十里野兄妹は人里へと向かうこととなった。

ある意味ではこれも異変の準備() らどり→



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フウ(プロフ) - 29巻作成しました!こちらからお願いします!(https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami133513/) (3月2日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 続編移行致します!! (3月2日 21時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 更新しました! (3月2日 21時) (レス) id: daf5c838c6 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 更新します! (3月2日 20時) (レス) id: daf5c838c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛宮リリー(プロフ) - 更新しました! (3月2日 17時) (レス) id: 234445217d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2023年11月14日 22時

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