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演劇には「大劇場」「中劇場」「小劇場」が存在する。
いつも立っている松竹座は勿論「大劇場」。
200席以上だと「中劇場」、100席以下だと「小劇場」
100-200席の間とかは曖昧らしく、いわば「人による」
いずれにせよ、舞台を観に行くという事は演劇の勉強の一種であり、それに大きさも何も関係はないのだ。
「古謝、お前小劇場演劇とか行った事ある?」
「まあ何回か、大阪やけど」
「どんなんやった?」
「自分で観に行ったほうが早いで」
「どこにあるん」
「そうやな…日本橋とか天王寺とかが割と多いで、後ちょっと遠いけど千林大宮にも1つあるな」
「どこやそれ」
「大阪市と守口市の狭間にあるわ、谷町線」
「ふーん、行ってみよかな」
「で、今度は何やんねん」
舞台上で黄昏れる藤原の衣装はこの前の衣装ではない。
キラキラとした、自分たちの本業と言えよう衣装を纏った藤原は、ニッと笑う。
「虚構:藤原丈一郎や」
「…は?」
「みんなに認めてもらう為には、まず自分を演じるべきかなって」
「前の舞台でも認めてもらってたやろ、十分」
「どこが?結局みんな俺のブランドしか「観て」へんかったやん」
「そんなん言うたら、」
古謝が言葉の続きを言う前に、彼は舞台上から姿を消していた。
立ち上がったまま、立ち尽くすしかなかった古謝は、行く宛のない言葉をゆっくり零した。
「…そんなん言うたら、「ここ」に入ったんが間違いになるやんか…」
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MaKoto(プロフ) - ずっと、柚空さんの物語が好きでした。貴方の小説を読んでいると心臓の奥底が警告音を鳴らすのに、どんどん読むのを進めてしまうんです。今回、久しぶりに読めてすごく刺激になりました。もっと、頑張ります。ありがとうございます。 (2019年12月29日 16時) (レス) id: 27cbf43c89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:今江柚空 | 作成日時:2019年12月4日 0時