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役者が舞台上で1番意識する事は、
「自分が上手く出来ているか」「お客様に良い演技を見せれるか」
等ではなく、
「お客様にきちんと物語を届けられるか」
だという説がある。

「それやったら古謝出来てへんやん」
「どういう事?」
「滑舌悪いから」
「失礼やな」

舞台上のど真ん中、センターに寝転ぶ藤原は「あー、あ、え、い、う、え、お、あ、お」と本意気ではないのだろう発声練習を零した。
古謝は客席1番前の真ん中、1階1列13番席に座り、その様子をただなんとなしに見ていた。

「けどほんまにそれ大事なんかな」
「でもそのつもりで俺らも台詞覚えてるやん」
「お前今回出てへんやんけ」
「まあそうやけど」
「…俺が言いたいのはさ、俺らの演技を観に来てる奴等がほんまにおんのかって事」
「じゃあ逆に何観に来るんよ」

「推しに会いに来ている。演技とかよりも顔、今日もかっこいいかどうか」
「…えらいネガティブやな」
「所詮「偶像」に過ぎへんのやないかなって」
「…でもまあ、ファンの子らの気持ちは計り知れんけど、好きやったらやっぱフィルターはかかるわな」
「……俺、頑張ってええんやんな」
「ええよ」
「でも俺疲れた」

藤原の姿はない
1人客席に残った古謝は、1つ溜息をつく。

「またか」

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MaKoto(プロフ) - ずっと、柚空さんの物語が好きでした。貴方の小説を読んでいると心臓の奥底が警告音を鳴らすのに、どんどん読むのを進めてしまうんです。今回、久しぶりに読めてすごく刺激になりました。もっと、頑張ります。ありがとうございます。 (2019年12月29日 16時) (レス) id: 27cbf43c89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:今江柚空 | 作成日時:2019年12月4日 0時

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