・ ページ10
.
「
胸にちょっとの重さを感じるけど、できるだけ気にせず走りながら、ロボットに魔法を当てていく。
ほんとはステッキみたいなのがあればイメージしやすいんだけど、無いので手から出すイメージをする。さっきから俺の手のひらからは、こぶし二個分ほどの大きさの火の玉のようなものが発射されている。
他のでもいいんだけど、わざわざ考えて打つのも面倒だし、これが一番早く打てるので使いまくっている。……多分、何度もエンデヴァーさんの炎を見ているから、イメージしやすくなっているんだと思う。
「っと。これで……何体目だ？」
長めの髪はくくってはいるが、ときどき視界に入ってくるので邪魔でしかない。さっきから、倒すペースが下がっているのを感じるけど、こればかりはどうしようもない。今度髪型でも考えるかな。
「まーこれくらい倒せば受かってるとは思うけど。……心配だしもうちょい頑張るか」
そう言いながらも、俺の体力は、とっくに限界を迎えていた。
俺の使う
体が女になると、体力も一気に落ちてしまう。だから女の姿でも鍛えないととは思うのだが、この姿になること自体、やはりあまり好きにはなれないので結局しないままだった。
でもそれが原因で危険になるなんて、思ってもいなかったんだ。
……突然、ロボの破壊に必死だった受験生たちが、一斉に俺が向く方向へと走り始めた。
後ろからは、大きな足音が聞こえる。
「……マジか」
振り向かなきゃよかった。
その姿は予想よりでかくて強そうだったけど、あの子の説明にはなかったはずだ。彼はポイントごとのロボットの特徴を、ていねいに教えてくれたのだった。
だから、つまり。目の前にいるこいつは、あの情報がほとんどなかった０ポイントってことになるわけ。
「逃げる、一択かなっ！」
俺の個性では、せいぜい時間をかけてもアレを倒せるくらいの大きな魔法が放てるとは到底思えないし、キャパも近かった。ここは黙って逃げるのが賢明。頭ではわかっていたし、行動もしていた。……けど。
「っ、誰か！！」
ああ、やっぱりこうなる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 259人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マイナ(プロフ) - アクルさん» うわああああ！！！すいません本当！！急いで直させていただきます！応援ありがとうございます！ (8月31日 17時) (
レス) id: 7b913ff2ae (このIDを非表示/違反報告)
アクル(プロフ) - 爆豪が爆轟になってますよ！更新応援しております！！！ (8月31日 16時) (レス) @page37 id: 2d70ed6e28 (このIDを非表示/違反報告)
マイナ(プロフ) - 食パンさん» コメントありがとうございます！！更新頑張ります！ (8月20日 11時) (レス) id: 7b913ff2ae (このIDを非表示/違反報告)
食パン - めっちゃ面白かったです！！ 更新楽しみにしています！！ (8月20日 10時) (レス) id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
マイナ(プロフ) - 共喰い@誰か・・・私に宿題の答えを・・・・さん» 自分の趣味つめてて自信が無かったのですが、そう言ってもらえて嬉しいです！更新頑張ります！！ (8月16日 16時) (レス) id: 7b913ff2ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
