急展開 ページ15
周りに集まってきた人達の中に、タンクトップタイガーだ、すげぇ本物じゃん!と声を上げる者が多数出現した。当の本人はその様子に自身が有名人であることを実感し、照れ臭いのか人差し指で鼻の下を擦る。
イラッとした。怒りや苛立ちで手が震えた。とにかく色々と爆発しそうだった。だがここで暴れて自身に向けられる世間の目が冷たくなるのは避けたいので、なんとか耐えようと手が白くなるほど拳を握る。
「さあ、どうする新人」
勝ち誇った顔で笑う彼の姿は、どうみても悪にしか見えない。
「ここで暴れて、俺の引き立て役となるか?」
──バチッ、と聞き慣れた電流の音が聴こえた気がした。
それは一体どこから発せられたものなのだろうか、と1秒にも満たない時間の中で考える。答えはすぐに出た。今のは自分のこの不可思議な力からの音に違いないと。
おかしい、自分は何の攻撃もされていないのに何故発動されたんだ。
矛盾する事にぶわりと鳥肌が立つ。そしてまたも背後から感じた殺気に冷や汗を流した。ヒュッと彼に向かって幾つもの手裏剣が放たれ頑丈そうなその肉体に触れた直後、爆発を起こす。
───ドゴゴゴッ!!
「おぼ……」
何が起きたかも理解出来ぬまま彼はドサ、と焼けた姿で地面に倒れた。
人々の悲鳴が町中に響く。先程の怒りはどこかに消え去り私も思わず口元を押さえた。お兄ちゃんはぴくりとも動かない彼を見つめたまま言葉を紡ぐ。
「何をやってんだ
ソニック…!」
「邪魔だったから寝てもらったまでだ。女、お前も何だその顔は。お前もそいつが憎かったんだろう?」
「…本当に実力行使する人なんていないよ……」
「綺麗事をほざくな」
唖然としている私に彼は淡々と言う。振り返ればソニックさんが好戦的な笑みを浮かべているのが真っ先に目に入った。それ自体は私ではなくお兄ちゃん向けられているものであるが、恐怖を抱かずにはいられない。
「サイタマ! お前もヒーローなどというくだらん肩書きを持っているんだったな」
この時を待っていたと言わんばかりに構えを取る。
「だったら俺と戦わざるをえない状況にしてやる。ヒーローサイタマ!」
地を蹴り、空中で手裏剣を取り出す。もはや一般人には到底目で追いつけない速さでそれを投げた。始めはお兄ちゃんに向かっていると思われたが、変化球のように突如方向を変え、ビルなどを破壊する。
そして、
「きゃっ!?」
「お前は人質にしてやる」
ソニックさんに担ぎ上げられた。
音速のソニックを敵と見なしました→←兄が馬鹿にされると頭に血が上るんです
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詩音 - お久しぶりです、ぷーぷーさん!夢主ちゃんがかなり危ない感じなのではよサイタマお兄ちゃん召喚ですよ!! (2017年9月25日 20時) (レス) id: dbaa959796 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - ぷーぷーさん» コメント返信ありがとうございます! ありがたく使わせていただきたいと思います! これからも応援しています! 無理なさらない程度に頑張ってくださいね! (2017年9月8日 14時) (レス) id: bc202da462 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーぷー - レイさん» どうぞ、私のオリキャラで良ければいくらでも。応援ありがとうございます。大変お待たせ致しました。これからもよろしくお願いします。 (2017年9月8日 3時) (レス) id: 656daaefee (このIDを非表示/違反報告)
ぷーぷー - Aさん» ありがとうございます。こんな作品でも貴方様の心を動かす事が出来たのなら、これほど嬉しいことはありません。大変お待たせ致しました。どうかこれからもよろしくお願いします。 (2017年9月8日 3時) (レス) id: 656daaefee (このIDを非表示/違反報告)
ぷーぷー - 白錬(新)さん» ありがとうございます。大変お待たせ致しました。どうかこれからもよろしくお願いします。 (2017年9月8日 3時) (レス) id: 656daaefee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷーぷー | 作成日時:2015年11月2日 19時