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涼介がそう告げて慧くんがいるのとは反対側の手を握る。
「涼介?」
「その人、ここら辺の人じゃないよね。」
「…涼介!そんな言い方っ「いいよ」…慧くん」
明らかに嫌味たっぷりに言う涼介を注意しようとすると、慧くんに遮られる。
「じゃ、また明日ね。」
「うん、ばいばい…」
少し悲しそうに笑いながら手を振る慧くんを見て胸が痛む。
振り返って歩く背中も悲しそうだった。
「帰ろ。」
「涼介、もうやめてね、こんなこと。」
「なんで?事実じゃん。」
涼介の目が少し怖くて、それ以上は何も言えないでいた。
私が涼介の家に来た日も私を蚊帳の外のように扱っていた涼介。
挨拶しても、話しかけてもとにかく無視。
でも、だんだん心を開いてくれて…。
いつの間にか、こんなにベッタリになっていた。
「俺もAと同じ学校がよかった。」
「…なんで?学校、楽しくない?」
「んーん。」
涼介は一個下の高校2年生。
私は電車通から徒歩通に変わったが、涼介はここから電車で5駅ほど行った高校に通っていた。
サッカー部のエースでモテモテ。
学校では人気者みたい。
「ただいまー。」
「ただいま。」
「あら、涼介、Aちゃんおかえりなさい!」
今となっては我が家のよう。
暖かく迎えてくれる家族がいる。
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作者名:にゃむ | 作成日時:2019年5月23日 23時