カタツバキの花を君にー3ー *K.I* (ページ15)

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蝉がうるさいほど鳴いている7月下旬。

お盆には被らないようにしようといって慧くんと少し早めの時期にディズニーにきた。

絶叫系が得意ではないがシーがいい！と言い張る慧くん。不思議に思いながらもシーにした。

｢わっ。やっぱ人多いなあ｣

事前に買っておいたチケットを入場口でかざして中に入る。
地球儀が置いてある噴水のところにはたくさんの人がいた。

｢よーし。いこ！｣

自然と繋がれる手。
最初の方はドキドキしていたけれど、今となってはそれが普通になった。

｢んー。はい。これ。｣

｢…だからシーなの？｣

｢んふふ。一回してみたかったんだよねぇ｣

入ってすぐのショップに入り慧くんから渡されたのはシェリーメイのカチューシャ。
慧くんはルンルンでダッフィーのカチューシャをつけている。

お会計を済まして鏡でカチューシャの位置を確認して外に出る。

｢少し恥ずかしいよ、慧くん｣

｢ええ？こんなのみんなしてるってぇ～｣

あたりを見渡せばカップルはミッキーとミニー。とか、ドナルドとデイジーとか。
お揃いのカチューシャをみにつけたり、全身コーデもお揃いにしているカップルもいた。

｢ほんとだ｣

楽しそうに笑い合う周りのカップル達を見て頬が綻ぶ。

｢なにみてーんの。はい。いくよ。｣

また自然とつながれる手。
今度は少し擽ったさを感じながらも握り返した。