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各部の大きな大会が終わり
3年生はほとんどが引退した。
それは、慧くんも例外ではなく
私達は駅の近くのカフェで明日から始まる期末テストに向けて勉強をしていた。
「…慧くん、これって…」
「あぁ、それは…」
いつもはほわほわしてるなんでみんなに言われる私達二人だけど
真剣に勉強に取り組む慧くんはすごくかっこよかった。
「んー。はあ!つかれた〜」
割と大きめなため息をついて慧くんがペンを置く。
「疲れたね〜」
目の前においてあったオレンジジュースを手に取る。
コップの外側が濡れていて
だいぶ時間が経っていることを表していた。
「…そう言えば、夏休み…どこいく?」
「…へ?」
「だーかーらー。夏休み!…今年は合宿も何も無いし慧くんはフルオープンしてますよ?」
いたずらっ子みたいににひひ。と笑う。
…すごく楽しそうだなあ。
「……ディズニー。」
「ほぇ?」
楽しそうに私を見つめる慧くんの目を見て真剣な表情でディズニー。と口に出す。
「なんでそんな真剣な表情なの!」
特徴的な引き笑いで笑う慧くん、
通路を挟んで隣に座っていた女性がちらりとこちらを見たのが見えた。
途端になんだか恥ずかしくなって
慧くんのバカ!なんて言う。
「いいよ、ディズニー。楽しも?」
笑いすぎてか、目に涙を浮かべて微笑む慧くん。
期末テストもすごく頑張れる気がした。
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作者名:にゃむ | 作成日時:2019年5月23日 23時