カタツバキの花を君にー3ー *K.I* (ページ11)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:13,578 hit

10* ページ11

・

・

・

・

週が明けて学校の日。

いつも通りに登校すると駅に慧くんの姿が見えた。

大会の結果は準優勝だったらしい。
慧くんからじゃなくて、だいちゃんがメールしてきたのが少し不安だったけど。

ちゃんと、謝ろう。
そう心の中で決めて慧くんに歩み寄る。

｢おはよう。慧くん。｣

声をかけるとイヤホンをしていたのにこちらに振り向き優しく微笑む慧くん。

｢むぐっ！？｣

慧くんなんだか朝から機嫌いいな。
なんて呑気なことを思ってると
ほっぺを片手で鷲掴みにされた。

｢…何遺言みたいなの残して大会来なかったの｣

笑ってるけど笑ってない。
そんな不思議な表情で問いかけてくる慧くん。

｢…わへがふぁって…けぇふんいふぁい｣

喋りづらい中必死に言葉を紡ぐ。

｢…はぁっ。ん。いこ。｣

ほっぺから手を離されて手を差し出される。

それにそっと手を重ねて2人であるきはじめる。

｢…で？その訳っていうのは？｣

｢あのね____________｣

｢…はぁ。ほんとに…｣

どこか遠くで私たちを睨みつける影があるのに気づかずに。