カタツバキの花を君に *Kei.I* (ページ10)

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怪我ない？とか声掛けるけど

彼女は普通。

なんだ、気にしてたの俺だけかよ。

つまないな。なんて思うけど

少しの沈黙の間をどうにかしようと俺から出た言葉は少し衝撃的だった。

_____友達になろう。

なんてさ、彼女も驚いては？って感じの顔。

俺も自分が何言ってんのかわかんなくて居たたまれずすぐに立ち上がって体育館に駆け込んだ。

「いのちゃん！おっせぇ！」

「きゃーっ！慧くーん！」

大ちゃんからのお叱りの声も隣で練習しているであろう女バスの声も何も聞こえなかった。

「……いのちゃん？」

「あっごめん大ちゃん、どした？」

「なんでにやけてんの？きも。」

「はぁーっ！？酷くない？」

「はいはい。早く着替えてきてよ。」

大ちゃんに更衣室に押し込まれる。

そんなにやけてたの俺。

てか、名前。

Aっていうんだ__。

胸が少しだけトクンと鳴った気がした。