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そんな伊野ちゃんから直ぐに目を逸らしてしまう。
「言えよなー伊野尾ー。」
「そんなじゃねーって!友達。」
…友達。
いつの間にそんな仲に?
自分の中でも黒い感情が渦巻いているのが分かる。
いつも俺の隣にいたA。
彼氏が出来たなんて聞いたことも無い。
いつも一緒にいたからからかわれて
変な意地を張って中学からはAを避けた。
向こうは特に気にしてなかったみたいで、それもまた少し残念というかなんというか。
ずっと隣にいてくれたから気づかなかったけど、Aはすごく優しい。誰にでも。
周りをよく見ていて気配りが上手い。
でも、吐き出すのはすごく下手くそだ。
溜め込んで溜め込んで…
中学の時女友達関係で揉めて空き教室で泣いているAを見たことがある。
俺はどうしたらいいかわからず立ち尽くしてしまいAが空き教室の中で立ち上がったのを見て慌ててその場を離れたのをよく覚えている。
それからだ、守らなきゃ守ってあげなきゃいけないんだ。そう思い始めたのは。
でも、ずっとまともに会話をしてこなかった異性の幼馴染というのと仲良くするのは難しかった。
それが最近やっと、Aと話す機会ができ自分から話しかけたり遊びに誘ったり…
少しでも気楽に笑って欲しくて頑張っていた。
でも、伊野ちゃんはそんな俺を越そうとしている。
伊野ちゃんがただの友達ってだけで連絡先を交換するわけがない。
それに3人で買い物をした時の伊野ちゃんのAを見る目。
すごく優しくて愛しいものを見るような目だった。
なんで伊野ちゃんなんだよ______。
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作者名:にゃむ | 作成日時:2019年2月28日 5時