カタツバキの花を君に *Kei.I* (ページ35)

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思わずふっと吹き出してしまう。

「あはは、伊野尾くんどうしたの？」

『んぇ？Aちゃん？なんで！？』

「あれ？伊野尾くんからさっき電話かかってきてたから…」

すると電話の奥から『ちょっと！誰俺の携帯触ったの！』なんて伊野尾くんの声とほかの人たちの声がする。

友達と遊んでるのかな？

『ごめんね、俺の友達が勝手にかけたみたいで…』

「ううん、全然！伊野尾くんからの初電話だったからちょっとドキドキしちゃった」

『へっ』

「えっ」

さらっと自分が口にした言葉に顔が暑くなる。

何言ってんだ。前の覗き魔疑惑といい

ほんとに変態じゃないか私。

「ご、ごめん！またね！それじゃ！」

恥ずかしすぎて慌てて電話を切る。

伊野尾くんが関わるとどうも調子がおかしい。

暑くなった顔をクーラーの風で冷やしながら考える。

ふわふわチャラチャラしてそうな伊野尾くん

最初は怖かったしいろんな女の子誑かしてる人ってイメージだった。

けど、私の中ではそれはもう全く違うもので
優しくてちょっとアホっぽいとこあるけど大学の説明会の時に見た真剣な目はすごくかっこよくて。

バスケをしてる時も靱やかで無駄のない動き。

だいちゃんの友達の伊野尾くん。からいつの間にか

気になる伊野尾くん。になっていた。