カタツバキの花を君に *Kei.I* (ページ29)

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あれから数日経って夏休みまで残り数日となった。

伊野尾くんから連絡はなく、相変わらず女の子に囲まれて歩いている。

だいちゃんともたまに会えば話すくらいの距離感だった。

「えー今の3年生を見てわかると思うけど、お前らもそろそろ卒業後どうするか決めとくよーに」

今日は進路ガイダンスがあるらしくて、2年生は自分の気になる大学とか専門学校の説明を受けるようになっていた。

「A決めたー？」

「ううん、まだなんにも…」

将来何になりたいかなんて全く決まってなくて、適当に地元の大学の説明を受けるようにした。

千景はスポーツトレーナーになりたいらしくて、専門学校の説明を受けるらしい。

千景はすごいな…。夢も目標もあって。

「私向こうの校舎で説明会なんだけど、」

「私講義室だ…。遠いなー」

「大学は希望者多いから大きい教室使うんだ。んじゃ、また後でねー」

千景と別れて1人講義室へと向かう。

1年生と3年生は平常授業らしくて、移動教室をしていたり教室の前でだべっている姿が見られた。

講義室について、そっと扉を開けると、ちらほらと人がいた。

友達という人がいるわけないので一番後ろの端っこの席に座る。

2人専用の長机で隣がいないというのは少し寂しいものだった。