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「あら、大貴」
「来るならいえよなー。完全に気ぃ抜いてた。」
ユニフォームの上から練習着を着ているだいちゃん。
身長はさほど変わらないのになんだかすごく大人に見えた。
「でもすごかったじゃない！次はどことだっけ？」
「まあまあ強いとこ。優勝候補らしい」
バスケのルールはわかっても近隣高校の事情は知らないので話についていけずぼけーっとしてると、
Aちゃん！？
なんて聞きなれた声がして振り向く。
「伊野尾くん。」
「なんでいるの〜！？あっ、おばさんとだいすけくんもこんにちは」
「慧くん！こんにちは！」
「おっキノコ頭。お前意外と凄いんだな」
「よく言われます〜」
見た目ひょろひょろなんで初見のとこは毎回マークつかれないんですよーなんて自虐しながらも楽しそうに話している。
「大ちゃんの応援？」
「んー。まあ、そうだけど…」
「ちぇーつまんね。俺も見てた？」
唇を尖らせて不貞腐れた表情の伊野尾くん。
こんなにわかりやすい人他にいるのかな…。
ほっぺもちもちそ。
「見てたよ。すごかった。」
なんて褒めてみるとわかりやすく喜んでくれた。
その横でだいちゃんが俺も見ろよ！っていって伊野尾くんの手を引っ張ってチームのとこに戻って行った。
本当に仲良しだな。
お昼を食べ終え、試合開始までのんびりしてた時のことだった。
おばさんの携帯が鳴り、会場をあとにして行った。
「…母さんおせえな。」
「うん…なんかあったのかな。」
5分くらい戻ってこないおばさんを2人で心配していると
会場入口から慌てた様子で走ってくるおばさん。
「Aちゃん！携帯！」
「えっ電源切ってて…」
「だから…！お母さんが！ゆみちゃんが！」
おばさんが口にした名前は、私の母の名前だった。
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作者名：にゃむ | 作成日時：2019年2月28日 5時
