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いつも通りに授業を受けて
いつも通りの放課後を迎える。
そのはずだった。
「…おーやまだぁ」
「薮せんせ…」
担任の薮宏太先生。日本史の先生だけど余談が多すぎてみんなはおじいちゃんなんて呼んでる。
「ちょうどよかった、歴史科の教室にこれ運ぶの手伝って」
「はーい」
特に放課後用事もなかった私は薮センセーに言われた通りノートを持つ。
千景は中学と同じバスケ部のマネ。
いつも忙しそうにしている。
「薮センセー暇だから手伝いましょうか?」
歴史科の教室についてノートを置くと忙しく整理を始める薮センセー。
私の言葉にまじ?なんて目を輝かせて資料をパッチンパッチン止める役に任命された。
「山田は恋してるか?」
「…してると思います?」
「思わない。」
質問に質問で返した私に薮センセーはバッサリ切り捨てる。
「大人しいもんなー。山田。あれ、お前幼馴染いなかった?」
「いますよ、だいちゃん。」
「そー。有岡。あいつは?いいじゃん、」
「だいちゃんはそんなんじゃないです。」
幼馴染の有岡大貴。
同じ高校で3組のバスケ部。
家が隣でよく一緒にご飯行ったり遊んだりするけどそんな話になったことない。
「ふーん。イケメン好きじゃなさそうだな。」
私の顔をまじまじ見つめて言う薮センセー。
「恋とか…好きとか…わかんないです。」
生まれてこの方恋をしたことがなかった。
────────
「雨…?」
あの後、薮センセーは恋愛事情に触れることなく学校でのことを話した。
すっかり遅くなって1時間くらい経ってた。
お礼に飴をもらって帰ろうと玄関に来ると
晴れているのにしとしと、見えないような雨が降っていた。
「…霧雨だよ」
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作者名:にゃむ | 作成日時:2019年2月28日 5時