41話(1/17更新) ページ4
「すきなひと…」
「そ、彼氏はいないって言ってたけど、好きな人は…?」
好きな人と言われて頭に思い浮かぶのは…
不器用ながらに話を聞いてくれた
甘やかすんじゃなくてはっきり言ってくれた
泣いてもいいって
一番言って欲しかった言葉をくれた。
1ヶ月も満たないこの期間で
自然と心は知念くんに引き寄せられていた。
「私は…いる…よ、」
「誰?」
「え、ええ!」
「何。言えない人?」
私のいるって答えに動揺することもなく間髪入れず誰?って聞いてくるあたり。
知念くんらしいっていえば知念くんらしい。
「そういう訳では…」
「じゃあ、教えてよ」
ずいっとこちらに近付いてきたため
一気に近くなる距離
顔が真っ赤なのが自分でもわかる。
心臓がうるさい。
知念くんにこの音、聞こえてませんように。
「なんで目、逸らすの…」
「っ…!」
「ちぃーー!!!休憩終わりだよ!」
「…ゆーてぃ…」
「なーにやってんの!あ!Aちゃんはまだ休憩してていーよだって!ほら、行ってらっしゃい」
軽く舌打ちをしてから外に出ていく知念くん。
なんで目逸らすのって言われて目が合っ
た知念くんは口と口がくっつきそうなくらいの距離にいた。
あぁ、本当に心臓がうるさい。
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作者名:にゃむ | 作成日時:2019年1月15日 22時