夏の匂い、君想う second *Yuri.C* (ページ28)

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65話ページ28

「え、今日何曜日？」

「水曜日ですよ」

伊野尾さんからの問いかけに携帯の曜日表示を見て答える。

「あとちょっとじゃん」

「ええ…寂しいな…最後の1週間は男5人かよ…」

「伊野ちゃんそんな事言うなよ！」

寂しいと言ってくれるのがなんだか嬉しくて顔が綻んでしまう。

たった1ヶ月だったけれどすごく大切なものを教えて貰った気がする。

その後、夕日が沈みかけていることに気付き、急いで片付けをして店をあとにした。

「わ、知念くんどうしたの…？」

家に戻りいつも通りに過ごしていた。
時間は8時くらいだった。

お風呂も済ませて部屋に戻ろうと階段を上がってすぐの所に知念くんが居てすこしぶつかってしまう。

あぶないな～。

「ちょっと散歩したいんだけど」

私の目を見ずに伝えてくる知念くん。

なんの報告……？

「い、行ってらっしゃい、気をつけてね？」

そう言って横を通り抜けようとするとその行く手を阻まれる。

「え、」

「何言ってんの。君も行くんだよ。」

そう言って階段を降りていく。

拒否権はないようで、少し不思議に思いながらもその後をついて行った。