64話(2/18更新) ページ27
「いらっしゃいませーっ！」
「お姉さん！焼きそば1つー！」
「はーい！」
大型連休もあっという間に終わり
また今日から海の家も営業再開。
体調のことをみんなすごく心配してくれていたが
特に変わることなく元気になった。
みんなからの気遣いなのか、九谷さんのことは誰も触れないでいてくれた。
「Aー！これ！焼きそば！」
「涼介ありがとう！五番テーブル？」
私からの問いかけにぐっと親指を立てる涼介。
頭に巻いたタオルでさえも様になってしまう。
涼介と裕翔はいつもと変わらぬ対応で接してくれていた。
「Aー暑いよー。」
「あと少しだから頑張ってよ裕翔」
……少々甘えん坊さんかな？って時はあるけどね。
「今日お客さん多くなーい？労働時間は8時間なんですけどー。早く帰って欲しいですネ！」
18時に閉まる海の家だが、その18時を超えているのに椅子に座っておしゃべりをするギャルのお姉さん達によって片付けられずにいた。
「ゆーてぃの言う通りだよ。全く。」
「は、！ちぃさっきまで寝てたじゃん！」
「……熱中症だよ」
「うそつけー！」
ほんっと元気だなぁ。
やることが無くなった店内でやんや騒ぐ2人。
知念くんは鬱陶しそうにしてるけど。
「皿洗い終わりーっと！」
「あっ伊野尾さんお疲れ様です」
「いぇーい！Aちゃんからお疲れ様もらっちった」
嬉しそうにムフフっと笑って私の隣の椅子に座る伊野尾さん。
「もうすぐ8月も終わりますけどもー。Aちゃんはいつまでバイトなの？」
楽しそうに笑い合うほかの4人を眺めていると
問いかけられる。
8月……
「あっ、今週末までですね。」
「「「「「えっ！？」」」」」
「……えっ」
すっかり忘れてた。
今週にはお母さんが帰ってくるし、
来週からは、学校だ。
驚きで顔が固まっている5人を他所に1人で考え事をしていた。
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作者名：にゃむ | 作成日時：2019年1月15日 22時
