夏の匂い、君想う second *Yuri.C* (ページ24)

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61話ページ24

涼介と裕翔から告白をされた。

そのあとの帰り道は繋がれた手が熱くて
何もしゃべらず帰宅して
食欲が沸かなくて半分も食べずに寝てしまった。

涼介と裕翔に言われた言葉がずっとグルグルまわっていた。

知念くんが好きだと自覚した後だったのに。

触れた唇

繋がれた手

頭がおかしくなりそうだった。

好きな人以外にこんなことされて

ドキドキしちゃって。

「…言われてないじゃん…」

そうだよ、肝心の好きな人から好きだなんて言ってもらってないし。

それに知念くんはなんだか前より態度が冷たい。

私なんかしちゃったかな…。

「A、なにしてんのー。」

縁側に座ってぼーっとしてたら後ろから声をかけられる。

「裕翔、」

「隣いい？」

「うん」

よっこいしょー！なんて元気に言って私の隣に座る裕翔。

中学の時より身長は凄く伸びてて完全に見下ろされる感じだ。

「悩み事？」

「え、うん」

裕翔の目を見ていると全てを見透かされてるような気分。

「んー。当ててあげよっか？」

「えー。わかるの？」

俺を舐めるなよーなんていって腕を組んで目を瞑る裕翔。
しばらく沈黙の時間が流れた後に

「……やまにも気持ちを伝えられて困ってる」

さっきと姿勢変わらず、いつもの裕翔の声のトーンで呟かれ思わず体がびくってなる。

……本当に全部見透かされてる…

「ははっ…そんな動揺しないでよ。当たってた？」

「う、うん、」

「山田の様子がおかしいって思ったんだよね。でも、返事はしてないみたいだね。」

…そんなにわかりやすいかなぁ。

返す言葉もなく、うんと小さくつぶやく。

私の顔をじっと見つめたあと
静かに目を閉じて

「好きな人でもいるの？」

と尋ねてきた。