40話 ページ3
静かに階段を上がり襖を引くと
部屋は既に真っ暗でみんな寝ているようだった。
九谷さん、圭人、涼介、知念くんをまたいで自分の布団に近づく。
規則正しい寝息が聞こえる。
起こさないように、起こさないように、気をつける。
無事自分の布団について静かに眠りについた。
「いらっしゃいませ〜！」
「Aちゃん！3番テーブルの！」
「はい！」
お盆前の帰省のせいだろうか、心做しか客足が多く朝から動きっぱなしだった。
今日はホールのお仕事。
注文をとって料理を運ぶ。
単純なお仕事だった。
「A、休憩行こ」
「知念くん、」
なんだか、知念くんがいつもより優しい気がする。
朝野菜がたくさん入った箱運んでたら半分持ってくれたし、
体調大丈夫？なんて心配してくれた。
「今日なんだかお客さん多いね〜」
「うん、昼過ぎだからだんだんお客さんも減ってくれるといいんだけど」
少し奥にある休憩室まで会話を弾ませながら向かう。
「…ん。」
「ありがとう、すごいいい匂い」
渡されたグラスには冷えたレモンティー。
知念くんは負けず嫌いなようで
あれから作り方ネットで調べたみたい。
「…どう？」
渡されたレモンティーを飲んでいる私をじっと見る知念くん。
「ふふ…すごく美味しい…」
やった、なんて小さく呟いて満足気。
珍しくニコニコ笑う知念くんを見て胸がきゅうってなる。
「…そう言えばさ、幼馴染の雄也のこと好きなの？」
「うぇっ！？」
突然の謎すぎる質問に慌ててグラスを落としそうになる。
「ほら、我慢してまで…だから好きなのかなって」
そんなこと聞く知念くんの表情は少し暗かった。
「ううん、好きとかないよ。雄也は家族だから…だから、失いたくなかった。」
そっかって呟く知念くん。
「好きな人とかいないの…？」
ねぇ、知念くん
そんな儚げな顔してそんなこと聞かれたら
期待しちゃうよ────
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 436人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃむ | 作成日時：2019年1月15日 22時
