53話 ページ16
「俺、Aと少し残ってるよ、みんなは先帰ってて。おばちゃんには靴ズレしたとでも言っといて。」
そう言って裕翔がAちゃんの傍に屈んだ。
「俺も…!」
「ダメ。山ちゃんは九谷に話聞いてきて。」
俺も残ると言おうとした山田を制する裕翔。
珍しく少し怖かった。
「それに、大勢に囲まれるより1人の方が安心するだろうし…大丈夫。任せて」
「…わかった。おし、帰るぞ。少し早いけどな。」
裕翔の言葉を信じてみんなに声をかけた。
____________inoo side
帰り道が凄く長く感じた。
Aちゃんのこともあり、裕翔だけが残ったことに知念と山田は納得がいってなかったみたいだった。
場を盛り上げようと大ちゃんが冗談を言ったり山田の肩を叩いたりするけど空気が変わることはなかった。
「知念さ」
「ん?」
大ちゃんと山田と少し離れてゆっくり歩く知念にペースを合わせて話し掛ける。
「Aちゃんのこと、好きなの?」
ずっと聞きたかった。
まあ何となく雰囲気でわかるけどね。
直接知念の口から聞きたかった。
「うん、好き。誰よりもね。」
戸惑いもなく真っ直ぐ前だけを見て答える知念。
「だから、裕翔だけが残ったのも納得いかない。僕がAのそばに居たかった。」
「そっか。」
いつもみんなの後ろをついてきて
山田と中島や圭人に全部してもらっていた知念。
恋人ができたとか、好きな人が出来たとかも
風の噂程度で本人の口から聞いたことは無い。
いつもの甘えたで悪い笑い方をする知念はどこにもいなかった。
「Aちゃん、元気にさせよ!」
俺が笑顔で知念の肩を組むと少しびっくりした顔をしたあと
「当たり前でしょ」
ってほほえんでくれた。
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作者名:にゃむ | 作成日時:2019年1月15日 22時