自.傷.少.女【歌い手】

34:真っ白な夢、暗い底 ページ35

．


自傷後、いつも通り包帯をキツく巻いておく。

床、汚れちゃった。

包帯から滲み出ている血なんて気にせず、2枚タオルを持ってきた。

床に押し当てれば、あっという間に白色は赤く染まる。

洗濯物も増えたねぇ。

めんどくさいなぁ。

もう一枚のタオルを包帯の上から巻く。

ゆっくり、けど確実に色を染めていく。

やがて、傷から血がでなくなると、包帯を新しく変える。


片付けが終われば、ふかふかの布団に身を預ける

眠い。

疲れきった私には、抵抗することなく


また真っ白な夢を見に行く。







目を開ける。

あの時(事故)以来、この夢を絶対に見るようになった。

−ほら、こっちこっち−

優しげな声が私の耳に聞こえる。

ただ、その声に聞き覚えはない。

でも聞くたび懐かしく思う。

もしかして、母の声という可能性もあるのか。

覚えてない記憶にある声を夢で無意識に追っているのだろうか…。


突然、足元の床?らしき所がなくなる。

まただ。また、落ちた。

息苦しくなる。

呼吸ができない。

まるで、水の中。

重い鉛でも乗せられているのだろうか。

そして底に着く前に、



また、目を覚ます。

こんなのを繰り返すうちに、寝る事に少しの恐怖心が湧き上がる。

だって、私は何度あの声に誘われ、そして底に向かって真っ逆さまに落ち続けるのだろう





−−少女はだんだんと落ち着いていたくても落ち着いてはいられない状態になりました。
あの暗闇の底、少女を呼ぶ謎の声
その声は、少女をどうしようもない恐怖に陥れるのだ。
もしかしたら、いつも落ちてるあの底に着くはずの穴は彼女が恐怖に落ちている事を表している


かも知れませんね?−−−

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