検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:5,156 hit

蒼の使徒9 ページ39

獸side

やれやれ、やっと国木田の小僧から話題を逸らすことが出来た。


一応、職業は持ってるけどな。
呉羽獸の名は、父親の名字と“当時の主人”が考えた名前だ。

俺は胸元から煙管を取り出して火をつける。
ここは屋外だ。


お嬢ちゃんが俺の煙管に興味を持つ。
あまり、煙管を使う奴は見かけないだからだろうか。

獸「吸うのはあまりおススメはしないぞ。」

佐々木「あ、すいません。
その煙管の細工が素晴らしくて、、、。
お手入れとかされているんですね。」

俺はちょっとびっくりした。
最近の若い女の子て、こういうのに興味を持つの?
身体に悪いし、妊婦さんが喫煙すると早産や流産の可能性がある。
吸ってもいいもんじゃあない。

まぁ、でも。
ちょっとばかり嬉しい気持ちもあった。


獸「これはずっと使ってんだ。若くして死んだ母と妹の形見なんだ。」


お嬢ちゃんの顔はイケナイ話題に触れてしまったのかと思い、謝ってくれた。
別に気にしちゃいないんだけどな。
大昔のことだし。


俺は身の上話をした。


母親が遊女で太夫だったこと。
父親がいない子として生まれたが、父親に引き取られずに母親に育てられたこと。
意外にも、同じ父親で妹がいたこと。
金を稼ぐ為に悪いことをしたこと。
母親は梅毒になり、ヤブ医者による間違った治療法で死んだ。
妹は父親の養子の血の繋がらない兄に身請けされたが、妊娠中でとある事件が起きた。
それが原因で、子は流れたショックでジ殺したこと。




話終わったとき、お嬢ちゃんは泣いていた。

佐々木「辛かったんですね。」

ありきたりな反応だ。
俺は己の出自を基本的に話さないだけであって、話すときは話す。

主人たちと俺の同胞以外はこんな反応だった。

獸「蒼き王のテロリスト事件の動機は知っているか?」

お嬢ちゃんは聞いたことがあると返答した。

獸「俺はさ、別に不幸なわけじゃないんだ。
理想の世界て言うの?
そいつが思う正義かな。
賛同して己の後ろについてきてくれて、己が先導者となりて命ある限り、道を切り開く。
たったの一人や二人だのが、己も皆も悪いと認識している方法で実行するのは、ただの暴虐だ。
不完全は不完全で埋め合わせる?
ふざけんなの一言で終わる。
蒼き王の理想は犯罪がなく、虐げられる人がいない世界だっけ?
そんな世界は存在しない。」


お嬢ちゃんは泣き止み、ただ俺の話を聞く。

蒼の使徒10→←番外編かー(棒) by勇貴


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MAOU | 作成日時:2019年5月21日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。