第30話 ページ31
開いた扉の先にはレイとエマ。
ドンとギルダはいない。
「え…レ、イ…？エマ…？」
二人は苦笑いしてこう言った。
「やっぱり俺の予想は当たっただろ？エマ。」
「本当にそうだったね。ノーマン、協力してくれてありがとう。」
そう言われてノーマンは どういたしまして、とエマに笑いかける。
二人に聞かれたことがまだ信じられず布団に隠れる。
が、レイが言った。
「一人で隠すな。A。お前、意外と嘘つくの下手だからな。」
いきなり言われたことに少しだけ腹が立ち、布団から出ながら、
「うるさいっ！…この…っ…」
と言った。
本当は
この…バカ弟っ！
と言いたかったが、みんなの前で言うのは躊躇いがある。
「この、なんだって？」
途中で止めた後にレイがからかう様に言う。
「……バカ…弟…」
私が布団に顔を埋めながら言うとエマとノーマンの声が揃った。
「「え？…弟？」」
その後言ったのはノーマン
「…確か、レイってAよりは年下だから…一様弟…？」
その疑問にレイが即答する。
「Aは俺の実の姉だ。…まぁ、その話は長くなるから後にする。」
「えっ！ええっ！すごい気になるんだけどっ！」
エマがレイに向かって大声で言った。
私はため息を一つしてからエマに言う。
「それよりもまずはノーマン。どうするの？」
「…そう…か…」
エマが急に下を向く。
「…僕は…逃げないよ。…死にたい訳じゃ無い。でも、死ぬよりもママに負けるほうが嫌なんだ。」
「やっぱりか。…私もノーマンと一緒に逃げたいけど。…君がそう言うなら…」
ノーマンの意見に賛成した私にレイとエマが怒鳴る。
「嫌だっ！ここで諦めるなんて許さないっ！」
「エマの言う通りだ！おいAもなんでこいつを死なせようとしてんだ！」
「…本人に聞こうか？ノーマン。自分が逃げて私達が代わりに出荷されるのが嫌なんでしょ？」
その問いにノーマンは頷く。
その後、数秒間の沈黙。
その間に聞こえるのは他の人の笑い声。
特に年少者の声だ。
この音が私の心を締め付ける。
出荷のために生まれて、12歳までに死ぬことを、知らない。
とても悲しく、苦しい。
これは分かっている私だから知る痛み。
そして私の前には後１日しか生きられない人がいる。
私はなんて言えば良い？
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凛猫(プロフ) - ソウさん» 応援してくださりありがとうございます！ 明日の夜までには続きを作成できると思いますのであと少しお待ち下さい。 (2019年8月12日 19時) (
レス) id: 18f542a8ee (このIDを非表示/違反報告)
ソウ - あー！続き楽しみです！頑張ってください！ (2019年7月30日 15時) (レス) id: 8344a9dd37 (このIDを非表示/違反報告)
凛猫(プロフ) - 大体の流れは思い付いているんですが、どんな風に進めれば良いか、考えてます！今日中に更新しますので、もうしばらくお待ちください！ (2019年5月26日 15時) (レス) id: 18f542a8ee (このIDを非表示/違反報告)
凛猫(プロフ) - ドラゴンさん» 今日中に更新します！…多分…いや、絶対！ (2019年2月14日 15時) (レス) id: 18f542a8ee (このIDを非表示/違反報告)
ドラゴン - まさか二人って‥‥続きを待ってます！ (2019年2月13日 21時) (レス) id: cddb962df9 (このIDを非表示/違反報告)
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