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誰かを頼ればいいなんて__酷い言葉だ。

自分自身がそんな存在だなんて。

おかしいのが自分だなんて。

そんなことは、言えるわけがないのに。


「でも、わからなくても、それでも、自分が道に迷っているときに__一人でいるときに、そういうことを言わなきゃいけない気持ちを、それでも__私もお前も、違う形で、経験してきているはずでしょう。同じ気持ちじゃなくても、同じ痛みを抱えてきたはずでしょう。

私は不死身の身体になったし__お前だって怪異を抱えた身体になった。そうでしょうが、そうなんでしょうが。だったら迷い牛だか蝸牛だか知らないけど__それがこの子自身だって言うんなら、話は変わってくるじゃないの。

お前には見えないし、聞こえないし、匂いすらも感じないんだろうけれど__それでも、だからこそ、この子を無事に母親のところにまで送り届けるのが__私の役目だよ」


「……そう言うと思ったよ」


相川を怒鳴ってしまったところから、徐々に私の頭も冷えてきて、自分が滅茶苦茶なことを言っているのは、勿論、わかっていたが__しかし、相川は、それに対してすら、顔色一つ変えず、眉一つ動かさずに__私に言った。


「ようやく__実感できたよ。Aちゃんのこと」

「……え?」

「Aちゃんのこと、僕、誤解していたみたい。いや、誤解じゃないか。薄々というか、重々、わかってはいたことだけどね__幻想が消えたっていうのかな、こういうのは。蒼音ちゃん。ねえ、Aちゃん。先週の月曜日、僕の些細な失敗から、Aちゃんに、僕の抱えていた問題がバレてちゃって……そうしたらAちゃんは、その日の内に、即日に__僕に、声を掛けてくれたよね」


力になれるかもしれないと言って。

私は、相川に、呼びかけた。


「正直、僕は、その行為の意味をはかりかねていたの__どうしてAちゃんがそんなことをしたのか。だって、そんなこと、Aちゃんにとって、何の得にもならないじゃない。僕を助けても、いいことなんて一つもないのに__どうしてかな。Aちゃんは、ひょっとして、僕だから助けてくれたのかな?」

「…………」

「でも、そうじゃなかった。そうじゃなかったみたい。そうじゃなくて、単純に、Aちゃんって……誰でも助けるだけなんだね」

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灰猫(プロフ) - 紅茶さん» 紅茶さんコメントありがとうございます!お返事遅くなってしまい申し訳ありません(><) Twitterですが、アカウントを作り次第わたるマイマイ其の参の方にリンクを貼らせて貰いますのでもう少々お待ちくださいませ!! (2020年4月28日 0時) (レス) id: cd0e1b19a2 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - Twitter教えていただきたいです!都合上いいねとフォローしかできませんがそれで良ければお願いします! (2020年4月4日 19時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - しのみやさん» しのみやさんコメントありがとうございます!これからも是非楽しく読んでやって下さい(*^ ^*) (2020年3月31日 23時) (レス) id: 06fe930ba8 (このIDを非表示/違反報告)
しのみや - 化物語も歌い手さんも好きなのでとても楽しく見させてもらってます! (2020年3月31日 18時) (レス) id: 5d97f4e4ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灰猫 | 作成日時:2020年3月29日 14時

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