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それにしたって、日曜日の公園に、私しかいないだなんて、まるで世界に私一人しかいないみたいじゃないか＿＿というのはいくらなんでも大袈裟だとしても、まるで、この公園の所有権が、私にあるかのようだった。
もう二度と、家に帰らなくていいみたいな、そんな気分になった。
私だけ、一人だけだから……ん。いや、一人、いた。私だけではなかった。
私の座っているベンチから、広場を挟んで反対側、公園の隅っこの方、鉄製の看板、案内図＿＿この辺りの住宅地図を眺めている、小学生が一人。
背中を向けているので、どんな子かはわからない。大きなリュックサックを背負っているのが印象的だった。一瞬、仲間を見つけた気になって、私の心はかすかに緩んだが、しかし、その小学生は、その案内図にしばらく向き合った後、何かを思いついたように、公園から去っていった。そして私だけになった。
また一人か。
そんなことを思った。
＿＿＿姉ちゃんは。
そこでふと＿＿弟の言葉が思い出された。
マウンテンバイクで家を飛び出るときに、私の背中に、無造作に投げ掛けられた言葉。
＿＿＿姉ちゃんは、そんなことだから＿＿＿
ああ。
畜生、と、私は、さっきまで取っていた空を見上げる姿勢から、今度は地面を一直線に見詰めるような、頭を抱える姿勢を、取ることになった。
暗い気分が、あたかも波打ち際のように、押し寄せてくる。
空を見て、大分落ち着いてはいたのに、今更のように、自分の卑小さが嫌になる。自己嫌悪とはこういう感情だろう＿＿普段の私は、あまりそういうことで悩むタイプではないのだが、むしろ悩みなんて言葉にはとんと縁がないのが私なのだが、ごくたまに、そう、五月十四日のような、そういうイベントじみた日には、何故か大抵、そういうコンディションになってしまう。特別な状況、特殊な設定。そういうものに、私は酷く脆い。落ち着きを失ってしまう。浮き足だってしまうのだ。
ああ、平日最高。
早く明日になってくれ。
そんな微妙なコンディションから＿＿蝸牛にまつわるそのエピソードは、始まったのだ。裏を返せば、私がそんなコンディションでさえなければ、それはあるいは、始まりさえしなかったエピソードだったのだろう。
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名無し16825号(プロフ) - ありがとうございます！これからも楽しみに待たせていただきます！ (2020年3月28日 9時) (
レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - 名無し16825号さんコメントありがとうございます！そう言っていただけてとても光栄です！この二人が付き合うかどうか等も今後の更新で分かりますので、ゆっくりですが今後も気長に更新を待っていただけると嬉しいです！ (2020年3月28日 5時) (レス) id: 06fe930ba8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - ところでこの二人付き合うんでしょうか？（（ (2020年3月27日 22時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - すごく続きが気になります！面白かったです更新頑張ってください！ (2020年3月27日 22時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2020年3月26日 1時
