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「一周して、メタ的な悩みになっているわけだね。鶏が先かひよこが先か、みたいな感じだね」
「それはひよこが先でしょう」
「ああそう」
「複雑じゃなくて矮小なだけなんだよ。私って人間小さいよなー、とか。でも、それでも、弟に謝らなきゃいけないことを思うと、滅茶苦茶、家に帰りたくないんだ。一生公園で住んでいたい感じ」
「家に帰りたくない＿＿か」
相川はそこで、ため息をついた。
「残念ながら、あなたの人間の小ささを、僕の器量でどうこうするするそことはできないね……」
「……努力くらいしてくれよ」
「当然ながら、あなたの人間の小ささを、僕の器量でどうこうすることはできないね……」
「…………」
確かに当然のことではあるが、そうはっきりと、しかも口惜しそうに言われると、更に落ち込んでしまう。いや、落ち込むというほど深刻な話でもないのだが、しかし、またその深刻でなさ加減も、小さくて嫌なのだ。
「つまらない人間だよなー、って。もっと、世界平和のこととか、人類を幸福にする方法とか、どうせ悩むんなら、そういうことで悩みたいって、思うのに。でも、それなのに、私の悩みは、こんなにちっちゃい。それが＿＿嫌だ」
「ちっちゃい＿＿」
「しょぼい、と言ってもいいかな。なんかこう、おみくじで小吉ばかり引くみたいな、そういうしょぼさ」
「自分の魅力を否定してはいけないよ、Aちゃん」
「魅力!? 私の魅力はおみくじで小吉ばかり引くことだったの!?」
「冗談だよ。それに、Aちゃんのしょぼさは、おみくじで小吉ばかり引くことなんかじゃないよ」
「大凶ばっかり引くって言いたいの」
「まさか。それはすごいことじゃない……っていうか、おいしいことじゃない。蒼音ちゃんのしょぼさというのはね……」
相川は、語りに重みを加えるために、そこで言葉をたっぷりとためて、それから、私に言った。
「……大吉を引き当てはしたものの、よく読むと内容的にはそんないいことも書かれていないみたいな、そういうしょぼさなんだよ」
じっくりと、その意味を、咀嚼して、反芻して。
「しょぼー！」
絶叫する私だった。
そんなしょぼい奴、生まれてこのかた聞いたこともない……それにつけても、こいつ、よくそんなことを思いつくよな……。重ね重ね＿＿というより返す返すも、末恐ろしい男だった。
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名無し16825号(プロフ) - ありがとうございます！これからも楽しみに待たせていただきます！ (2020年3月28日 9時) (
レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - 名無し16825号さんコメントありがとうございます！そう言っていただけてとても光栄です！この二人が付き合うかどうか等も今後の更新で分かりますので、ゆっくりですが今後も気長に更新を待っていただけると嬉しいです！ (2020年3月28日 5時) (レス) id: 06fe930ba8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - ところでこの二人付き合うんでしょうか？（（ (2020年3月27日 22時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - すごく続きが気になります！面白かったです更新頑張ってください！ (2020年3月27日 22時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2020年3月26日 1時
