Lesson.9 ページ10
放課後、友達2人と一緒に、ブラブラと寄り道をすることにした。
別に買うものはないけど、雑貨屋さんを覗いたり、アクセサリーショップを覗いたり、クレープ屋でそれぞれ違う味を買って、食べ比べしたり。
今朝までモヤモヤしてた気持ちは、不思議と消えていた。
一織から電話があったからかな。
「あ、うそっ。今駅前でライブしてるって!」
ラビチャを確認してた友達が、そう声を上げた。
「すぐ近くだから行こうよ!」
「もう仕方ないな〜、Aも付き合って」
「ええ!?」
引きずられるようにして、私達は駅前に向かう。
どうしよう…。
そんな心の準備はしてない。
ドクドクと心臓が変に音を立てる。何故か凄く緊張していて、変な汗をかいていた。
「ちょっとA大丈夫?顔色悪いよ?」
「だ、大丈夫。なんか緊張しちゃって」
「何であんたが緊張するのよ?」
「だよね〜」
駅前まで来ると、音楽が聞こえてきた。
あ、結構好きかも。
なんて考えてる内に、人集りにぶつかった。
多分、これがストリートの客なんだろう。
「ちょっとすみませんー」なんて言いながら、友達が見やすい位置まで私を引っ張っていく。
睨み付けられるのをスルーしていくのは、凄い……。
「……っ」
人と人の間から顔を覗かせると、目の前には7人がキラキラな笑顔で歌い踊っていた。
私の目は、勿論2人の幼馴染に釘付けだった。
元気よくステップを踏む三月に。
くるりとかっこよくターンを決める一織に。
初めて見た、アイドルの姿の2人に、私は息を飲んだ。
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作者名:まいまい | 作成日時:2018年1月18日 23時