Lesson.5 ページ6
「おー、やっと来たなー」
すでに営業は終わってるみたいだ。
課題を終わらせて、一織と共にお店に行った頃にはclosedの看板が下げられていた。
まだ明るい店内に入ると、三月が迎え出てくれた。
椅子を引かれて、座るように促された。
「おじさんとおばさんは？」
「仕込みが終わったから帰ったよ。これ、お前にって」
イートイン用のお皿に乗っていたのは、苺のショートケーキ。
昔から私が好きなケーキだ。
「ありがとう…」
一織がトレーにティーセットを用意して持ってきてくれた。
丸いテーブルに、３つの椅子。１つは私が座っていて、残りは三月と一織が座った。
「もう遅い時間だけどな、今日はおばさんにも許可もらってあるから」
「帰りも送っていきます」
「うん。あのね、2人の話を聞きたい。今までどうしてたとかさ」
「話せることは話すよ。ごめんな、急にいなくなるような感じで行っちゃってさ」
「ほんとだよ。私、すごく……寂しかった」
「おう…。あの頃はオレも必死だったからなぁ」
「フォロー出来ずにすみません。もう少し早く認知されるようになればよかったのですが……現実は厳しいですね」
「いろいろあったんだね。でも、今日会えたし、いいよ、許す！」
「おー？一丁前な口きくようになったなー！」
ガシガシと髪をやや乱暴に撫でられる。
「兄さん、加減してください。髪がくしゃくしゃ……」
乱れてしまった髪を直してると、一織も手を伸ばして手伝ってくれた。
「ありがと、一織」
お礼を言うと、一織は口の端を少しだけ上げて、小さく笑った。
「それでさ、2人は今何をしてるの？」
肝心なことを聞いてなかった。
いろいろあったみたいだけど、危ないことはしてないよね？
そんな疑問が頭に浮かんだ。
「オレ達は……」
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作者名：まいまい | 作成日時：2018年1月18日 23時
