その手のひら、で(黄) ページ4
.
.
『照の手ってさ、おっきいよね』
岩「んふ、何?急に」
.
同棲している彼氏、照の手が大好き。
手の腹は肉厚で、すごくしっかりしてるのに、
スラッとして、関節がゴツゴツしている指が、たまらなく好き。
ソファに一緒に座ってテレビを見ていたら、
そんな照の手が私の膝に置かれるもんだから、つい触り始めてしまったのだ。
.
『私、照の手大好きなんだぁ』
岩「…へぇ?」
『手おっきい癖に私より器用だし、
この手で頭撫でられたり、手繋いだりすると、ほんと安心するの』
岩「そりゃどーも」
『えぇ?なぁに、素っ気ない』
.
こんなに熱く語ってるのに、目線はまだテレビのまま。
特に喜ぶわけでもなくされるがままでなんか、つまんない。
…ちょっとした意地悪で手のひらに爪をツー…と這わせると、くすぐったかったのかピクっと反応する照。
.
『ふふん、くすぐったい?』
岩「ねぇ、からかいすぎ」
『からかってないよ?』
岩「…手のことばっか好きって言って、俺のことは?」
.
……はい?
耳を疑った。
え、照さん?あなたもしかして、自分の手に嫉妬してます…?
照を見れば拗ねた顔でこちらを見つめている。
.
『…照も、好きだよ』
岩「"も"ってなに?」
『えぇ…だって照も照の手も、照じゃん』
岩「そうだけど…なんか、ヤダ」
.
そう言ってムギュっと抱きしめられる。
この人ガチで拗ねてる、可愛いって思ったのは内緒だけど。
.
『もぉ、そんな拗ねないで?ほんとに照のこと大好きだから』
岩「…知ってる、俺もすき」
.
そう言って私頭をポンポンと、手のひらで撫でた。
.
.
end
445人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひらり | 作成日時:2022年12月8日 0時