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『…ラウくん？』
ラ「ねぇ、僕って情けない？子どもっぼい？男としてみてくれないの？」
『っえ？いや、私の彼氏でしょ、どうしたの？』
ラ「いっつも可愛いねって、そうやって言って誤魔化すんだから。
…僕だって、男だよ？」
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彼女の着ている薄手のTシャツから見える、細い首に口付けをする。
ビクッと体が強ばるAさん。
なんだかその反応が、あ、僕リードしてる、って思ってTシャツの中に手を入れた。
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『、っ、ね、やめて、ラウくん』
ラ「やだ、やめない」
『…おねがいっ、待って、』
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弱々しく掴まれた腕。その手が少し震えていて、ふと顔を覗く。
そこには顔を真っ赤にしながら涙を流すAさんがいた。
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ラ「、あ、ごめ、」
『ちがう、ちがうの、そうじゃない、』
ラ「怖かった？ほんとごめん」
『ううん、違う、違うから』
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違う違うと首をぶんぶん振る姿が、とても愛おしく見えた。
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『…ごめん、ラウくん、私ね』
ラ「…ん？」
『私、しっかりしなきゃって、5歳も年上なのに、だらしないところ見せたくなくって、』
ラ「………」
『あと、…あと、私、もう26にしてさ、
男経験、全くないの、…ラウくんが、初めて、で』
ラ「…………え、？」
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顔を隠しながら弱々しく見せてくれた本当のAさん。
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『その、そーゆー…ことも、したことなくて、キスとかも、だから、びっくりしちゃって…ごめんね』
ラ「…………はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜」
『っえ、大丈夫…？嫌だった………？』
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急にしゃがみ込んだ僕にオドオドとし始めるAさん。
嬉しさが一気に襲ってきてニヤけが止まらない。僕にも、リード出来る場面が沢山あったんだ。
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ラ「嫌じゃない、むしろ嬉しすぎる」
『そっか…？』
ラ「じゃあ僕ら初心カップルなんだね」
『……そう、かも』
ラ「さっきはいきなりごめんね？…僕らのペースでいこう、そういうことは、ね」
『…………ほんと、恥ずかしい』
ラ「あ、でもチューはしたいからするね」
『え？』
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驚いて振り向いたAさんにキスを落とす。
離れたらまた真っ赤っかにって固まる彼女を、これから先も大切にしようって誓った日になった。
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end
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作者名：ひらり | 作成日時：2022年12月8日 0時
