結婚恋愛６ (ページ50)

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いつも最後ページ50

「あら、お帰り。明日の準備してあるから。」

帰ったらいつも通り笑顔で迎えられてモヤモヤした気持ちが一気に噴出しそうになった。
リビングに準備されたスーツケースに視線を落とした。

「ね、俺ってそんなに頼りない？」

「へ？」

振り返ったAが不思議そうに首を傾けたから、心当たりが全くないというのが余計に神経を逆なでして、一気に怒りが噴出した。

「卒業総代のこととか、不安なこととか、倒れるまで負担かかってたこととか！
　なんでいつも最初に俺が知らない！」

強く握った拳の中で爪が手のひらに食い込んだ。

「ユノ…何言ってるの？」

「いつも周りから知らされる！なんでだよ？
　俺はAのなんなの？旦那さんだよ！？何かあったら一番最初に知りたい！
　それなのに…なんでだよ！」

ユノが本気で怒ってる。怒りで肩を震わせて表情が冷たい。

「何をそんなに怒ってるの？」

「じゃあ、逆に聞くよ。
Aは俺が悩んでることとか不安なこととかいつも周りから聞かされてたらどんな気分になる？」

噛みつくようにユノがAを睨んだ。

「なんでそうなるの？
私はユノにはちゃんと言ってる。総代のことはもう少し落ち着いてから話そうと思ってたし。」

Aも声を荒げた。

「で、それはいつの予定だったんだ？」

「それは…」

まだ決めてなかった。

「ほらみろ！Aは最初から話すつもりなんかなかったんだよ！」

「じゃあ、自分はどうなの！？いつも勝手に決めてるじゃない！
　車だってそうだし、これだってそうでしょ！」

左手の薬指のリングを外してユノの胸に突き返した。

「ああ、そうかよ！俺はてっきりAが喜んでくれてるもんだと思ってた。
もういい、俺は明日、香港で仕事だし今日は宿舎に泊るよ！」

ユノはスーツケースを持ってドタドタと部屋を出て行った。
Aはユノを追いかけもせずにソファーに体を沈めた。