結婚恋愛６ (ページ38)

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サプライズページ38

たっぷりと１時間かけてのストレッチ中心のヨガをやったおかげで、体が火照っているしやけに怠い。
ユノたちの通うジムの近くのカフェまで歩いた。
ホットコーヒーを注文してコートを脱いでストールだけ肩にかけた。
身体が温まった分、血圧も下がっている。
明日はもっと体がだるくなりそうだ。

届いたコーヒーを一口含んでスマホをテーブルの上に置いた。
２１時を過ぎた街中は金曜日とあってそこそこの人出だ。
ただ、カフェに居るのは大半が待ち合わせ。自分もその中の一人だ。

買ってきた雑誌を一冊取り出した。
一般的に結婚準備にかかる期間は１年近くかけた方が良いと言われるが、自分にはそんなに期間が無い。
正確に言えば３ヶ月もないことになる。
まずは招待状を選ばなければならないし、ドレスだって会場の準備だって勧めなきゃならない。
考えただけで頭が痛い。
気になったページに折り目を付けていく。
３ヶ月で何ができるというのだろうか…。

「はぁ～」

深いため息をついた。
今自分を落ち着かせてくれるのは、左指に光るダイヤモンドとユノだけかも。
下唇を噛んだ。
その時、外から窓を叩かれて視線をそちらに向けた。

「やだ、ユノ…」

ユノがマスクをかけてそこに立っていた。
ただでさえ目立つのに、人が行きかう街中で立っていたらいくら変装していても誤魔化しが効きそうにない。
急いで会計を済ませて店を出た。

「電話するって言ったじゃん。」

声を潜めているが、明らかに噛みつくほどの勢いでユノの手を引っ張って路地に入った。

「サプライズ！」

「そういう問題じゃないでしょ！」

傍から見たらただの痴話げんかにしか見えないだろうけど、そんなことしたら目立つだろう。

「もういいから、行くよ。」

「おっと、その前に、そのショッピングバッグは俺に貸してもらいたい。」

出された手に雑誌の入った紙袋を差し出した。

「コレ、何が入ってるの？」

「後で見ていいから、とりあえず店に入ろ。寒くてたまらない。」

コートをさっと羽織ったけどビルの間に吹く風は大分強いし、冷たい。