結婚恋愛６ (ページ30)

今日:16 hit、昨日:0 hit、合計:216,241 hit

アメリカンページ30

「明日の夕方までは仕事が無いから、ゆっくり過ごせる。」

「えーうそー！」

ソファーに座ってチェンジ・ザ・ワールドを聞きながらユノに寄り掛かってゼクシィを捲った。

「だって、そしたら勉強できないじゃん。」

「一日くらいサボったっていいだろ？本当はよくないけど。」

「うーん、ま、いっか。
　最近、誰かさんが帰ってくるの待ってる間に勉強できてたからいいけど。」

口を尖らせながらまたページを捲った。

「なら、今夜はやることがあるだろ？」

Aの手からゼクシィを取り上げて花瓶の横に置いた。

「それって…勘違いじゃなければベッドですること？」

「そうだな、多分勘違いじゃない。」

「わぁお！私ってカンが鋭い！」

肩をすくめてわざとらしく答えた。

「凄いアメリカ映画っぽい。」

「今日はアメリカっぽくした方が良いかと思って。」

「そういうのはいいから。」

ユノにたしなめられるのは嫌いじゃない。
自分の方が年上なのに守られたり、リードされたりが凄く心強い。
ユノが立ちあがって手を差し出した。

「ほら、奥さん、お手をどうぞ。」

「あ…」

「左手出してくれたら嬉しいんだけどな。」

おずおずと左手をユノの右手に乗せた。
その左手を掴んで立たせた。

「あー、ユノは絵になるのに、私にはちょっと無理そう。」

クスクスと笑い出したAになんだか違和感を抱いた。

「そんなことないよ。もっと自分に自信もてない？」

「んー？」

「俺が選んだ人をけなされるのは当の本人でもイヤだな。」

ユノが腰を引き寄せて少し悲しそうな視線を向けた。

「あ、その…ゴメン。」

「ま、いいよ。そういうところも嫌いじゃない。」