深夜の迎え ページ38
相川が電話を切った後にメッセージが送られてきて、内容は住所と「門のところに車を止めて入ってきてください。」と書かれていた。
もう深夜1時になる。
掛けてあったニットのセーターとデニムパンツを履いて、急いで新車のキーを手に取って地下駐車場に急いだ。
カーナビに住所を入力してからナビを開始し、ギアをDに入れ発進させ地下駐車場を出ると、年末の深夜１時半の一般道は思いのほか空いていた。
ショパンの曲を流しながら深夜のドライブをしている気分だ。
でも、ユノに会うのが怖い。ハンドルを握る手が妙に汗ばむ。
３０分ほど走ってナビが案内を終了した。
降り立ったのは木製の厚い扉の門で、石造りの門柱が特徴的でアイアンで作られたゴシック調の飾りがライトに照らされていた。
門扉を静かに開けると綺麗に手入れされたイングリッシュガーデンはライトに彩られていた。
レンガで作られた歩道の上を歩いて、たどり着いた洋館の扉を開けると明らかに人が住む目的で建てられたのではないことがわかった。
エントランスの天井からはシャンデリアが吊るされて、淡い光にカットガラスが反射する。
壁に沿わせて作られた緩やかなカーブを描いた階段の手すりは真鍮製で鈍い光を放っていた。
室内に声をかけるが返答もなく静まり返っているだけだ。
恐る恐る最初の扉を開けると、テーブルの上にハナミズキに囲まれたハイヒールが飾られていた。
無数のキャンドルの炎が揺らめき、レースの中に散りばめられたライントーンが繊細な印象に思えた。
「A」
背後から声を掛けられて、振り向くと白いバラの花束を持ったユノが立っていた。
「仕事は？」
少し声が上ずってしまった。
「もう終わったよ。」
「チャンミンは？」
「もう帰った。」
ユノはAのもとに歩み寄るとほほ笑んだ。
「ユノ？」
Aが怪訝そうにユノを見上げた。
状況が全く呑み込めない。
「A、僕と結婚してもらえますか？」
ユノは真剣な眼差しでAを見つめた。
一瞬何を言われたのか理解できずにユノの言葉を反芻する。
すると思わず泣き出してしまった。
「A、なんで泣くの？」
一世一代の勇気を出して言ったのに、Aが泣き出したからどうしていいかわからなくなった。
「ばかぁ」
しゃくりあげながらやっと絞り出した声だ。
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maimai(プロフ) - wakaさん» いつもありがとうございます！コンスタントに更新できないかもしれませんが、気長に楽しんでください(^▽^)/ (2017年1月31日 22時) (
レス) id: 89c5e1ec04 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 新章おめでとう！！いつも楽しみにしてるから、これからもよろしくお願いします(^o^) (2017年1月31日 2時) (レス) id: 2c21ad0cad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：maimai
| 作成日時：2017年1月31日 0時
