威厳と優しさ ページ16
ベランダに積もった雪もあっという間に溶けてしまって、なんだか寂しくなったけど洗濯物を干すには天気がいいことは好都合だ。
ランチついでに買い物に出かけて、食材を買い込んで普段は買わない高い白ワインを買った。
流石に今日ケチったら当分チャンミンのご機嫌が斜めになりそうで怖かったし。
食材を両手いっぱいに抱えてタクシーを拾った、車で来ればよかったと後悔しても遅くて、車窓から眺める景色の中で親子連れやカップルが目についた。
その光景を眺めながらふと思ったのは、自分にはもしかしたら一生できないことかもしれないということだ。
でも、もしできるのなら、子供ができたら一度くらいは親子三人で出かけたい。
芽ばえた淡い期待に自嘲気味に笑ってボソリと呟いた。
「いつになるやら…」
帰宅してからあわただしく料理の準備をした。
チャンミンの大食漢は身をもって知っているし、今日は予想を超えて食べそうな気がする。
自分はキッチンから離れることができない覚悟もしているから、なおのこと下準備を入念に。
グラスもお皿も全部綺麗に洗ってから拭きながらジャズをかけた。
最近、ユノもお気に入りのアルバム。
その曲を聴きながら手を動かしていたらもうすでに１９時近かった。
「あ、イケナイ！ケーキ取りに行かなくちゃ。」
慌てて、コート着込んで外に出た。
近所のパティスリーにお願いしたチョコレートケーキ、なるべく甘くしないように特別に頼んでおいたものだ。
出来上がりのケーキを見せてもらったら、見た目はとてもシンプル。
大人だけがたべるのだからこのくらいオシャレなもので丁度いい。
イチゴがのってないからユノはきっと不満がるだろうけど、昨日のイチゴがまだ残ってるからそれで勘弁してもらおう。
玄関に入って立てかけた額を見つめた。
午前中に糊で張りつけたパズルが乾くのには時間はかからなかったし、パズルに合わせてライトも準備した。
満月をバッグに花が咲く草原にオオカミが一匹描かれたこのパズルを選んで正解だった。
強く威厳に満ちたその姿だけど同時に優しさにも満ちている。
まるでユノみたいに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 347人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
maimai(プロフ) - wakaさん» いつもありがとうございます！コンスタントに更新できないかもしれませんが、気長に楽しんでください(^▽^)/ (2017年1月31日 22時) (
レス) id: 89c5e1ec04 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 新章おめでとう！！いつも楽しみにしてるから、これからもよろしくお願いします(^o^) (2017年1月31日 2時) (レス) id: 2c21ad0cad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：maimai
| 作成日時：2017年1月31日 0時
