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「川名さん、あなたが一番最初に論文を終えたわね。」
６０代後半になった教授が自分の渡した用紙の束から視線を移して微笑んだ。
「あ、これで終了でいいですか？」
「ええ、申し分ないわ。」
丁寧に表紙を戻しながら教授が微笑むので、ホッとした。
「あなた編入してきた時からずっと頑張ってたものね。」
「そうじゃないと単位落としそうで…。」
立ち上がった教授がコーヒーを持って戻ってきた。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「あなた、就職は希望してないみたいだけど…。」
教授が上品な仕草でコーヒーを飲み始めた。
「あ、その、家庭のことが…。」
「そう言えば、新婚さんだったわね。」
教授が笑うと華やかな空気に包まれた。
「あ、はい。なので少しの間は…主人が子供を欲しがってるので。」
「あら、それは早く手を打った方が良いわね。
子供は宝物よ。って、子供のいない私が言うのも変だけど。」
クスクスと笑い出した教授はツイードのスーツがよく似合っている。
「あ、そうそう。家庭が落ち着いたら、私に声をかけて。」
「え？」
「あなたに仕事を色々と紹介できると思うの。」
にっこりとAに笑顔を向けた。
「いいんですか？」
「ええ、もちろんよ。
貴女のキャリアを考えたら仕事なんていくらでもあるわよ。」
「ありがとうございます。じゃあ、落ち着いたら考えてみます。」
「ええ、あくまでも貴女の生活を優先させてね。」
こうやって自分を承認してくれるって凄くありがたいことだ。
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maimai(プロフ) - wakaさん» いつもありがとうございます！コンスタントに更新できないかもしれませんが、気長に楽しんでください(^▽^)/ (2017年1月31日 22時) (
レス) id: 89c5e1ec04 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 新章おめでとう！！いつも楽しみにしてるから、これからもよろしくお願いします(^o^) (2017年1月31日 2時) (レス) id: 2c21ad0cad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：maimai
| 作成日時：2017年1月31日 0時
