Guilty (ページ30)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:73,756 hit

秘密ページ30

「あら、ユノ、もう見つけたのね。」

背後から聞き覚えのある声に二人で振り返った。

「志保さん。」

ユノは少し困ったような顔を志保に向けた。
志保はとても綺麗なフューシャピンクのドレスを身に着けていた。
ミモレ丈のチュールで派手な色のわりに嫌味のない着こなし。

「そんな困った顔しないで、彼女とても素敵でしょう？」

Aを見つめてにこりと笑う。

「それはそうですけど。この中で一番目立ちますよ。」

「だって、とても綺麗な素材だから、そのポテンシャルを引き出しただけよ。」

志保のスタイリストとしての感性を刺激するほどの逸材だ。
その逸材を見つければ誰だって自分の腕を試したくなる。

「それに、文句より喜びの方が大きいでしょ？」

ユノの耳元で囁いた。

「わかっててやったんですね。」

「ええ。新年の韓国でのパーティーも楽しみにしてて。」

そこまで話すとユノから体を離した。

「牧野さん、新年の韓国でのパーティーは私はいけないけれど、向こうのスタイリストにお願いしてますから。安心して。」

「あ、はい。でも…。」

「大丈夫、今日教えたことを守れば十分に切り抜けられるものを選んでおくから。」

志保がクスリと笑って立ち去った。

「今日教えたことって？」

ユノがAの顔を覗き込んだ。

「それは…その…秘密です。」

「秘密か…残念。」

クスクス笑いながら手に取ったシャンパンをAのグラスに傾けた。